2012.02.24
< ユリ “プーマ” > ユリ科 LAハイブリッド(園芸種)
本来は初夏の頃より咲いた姿が見られるユリですが、ユリは大変多種多様です。
ヤマユリ、オニユリ、カノコユリなどは自生した姿が野山で見られますが、原種としても100種以上存在する極めて種類の多い花です。
代表的な園芸種として、“カサブランカ”など大輪の花を咲かせる『オリエンタルハイブリッド』、オニユリ・ヒメユリなどアジア原産のものを交配して造られた花色が豊富な『アジアンティックハイブリッド』、テッポウユリなどから作られたトランペット状の花が横向きに咲く『ロンギフローラムハイブリッド』、そして今回の“プーマ”もその一つ、花色が多くとてもポピュラーな『LAハイブリッド』などがあります。
ラテン語(学名)でユリはLilium 、英名はLily、和名では花が風で揺れることから「ゆり」と呼ばれ、香り,花形、色ともにとても魅力的です。
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もうすぐ発表会!! <発表会プログラム>
園内の梅のつぼみもふくらんで、今日は春の気配が確かに感じられる嬉しい一日でした。そしていよいよ来週末に近づいた生活発表会プログラムをお持ち帰りいただきました。
第三園舎(月ぐみ)内には先日からお雛さまをお飾りしていますが(発表会当日は残念ながらスペースの関係で片付けます)、このプログラムのお雛さまお内裏さまのお着物は一つずつ柄違いの貼り絵になっています。開けると2ページのメニューがあり、今回も先生たち手作りの可愛いプログラムです。皆さまのお手元にはどんなお着物のお雛さまが届いたでしょうか?
各学年各クラスとも発表会に向けて一つになって練習を重ねる日々ですが、練習を終えた後は思いっきり外遊びを楽しむ笑顔が輝きます。
昨日は年中リズムバンドの初舞台げいこを第三園舎で行いました。
リズムバンドは各クラス全員一緒に一同の舞台を踏みます。実は、ひと昔前までは今の約二倍の人数で演奏を行っており、一つの楽器を4~5人ほどで力を合わせて音を出すことで、全体としての音のボリュームは勿論、演奏する子どもたちにとっても大勢での団結とともに大きな達成感が得られたものでした。
しかし昨今の少子化とともに、特に今年は一つの楽器を二人で担当することにもなり、いよいよどうしたものかと悩みました。長年行ってきたリズムバンドではなく、何か別の発表をすることも脳裏に浮かばせつつ、かねてから思案していた「ゆきぐみ・ほしぐみ合同で演奏するスタイル」を当初クラス担任と検討しておりました。しかし、一日に二部式で発表するスタイルの場合、何点かの理由からやはりクラス別で発表せざるを得ないこととなり、結論として、少ない人数ではありますが音響面などで最大限の工夫をしながらリズムバンドの実施をする方向で決め歩んできた経緯が今回はあったのです。
~舞台練習の様子を少しだけ撮影~ ゆき リズムバンドシーン ・ ほし お歌のシーン
そうして迎えた昨日の初舞台練習は、心配とは裏腹に、担任かおり先生,さえ先生と子どもたちがどちらのクラスもまさに一体となり、うた、マーチともに一つの大きなエネルギーとなって響いてきた感動的なものでした。
大きく澄んだ声、自分の受け持ち楽器を演奏する使命感を持ったひとりひとりの眼差しが凛々しく、大太鼓、小太鼓、シンバル、そしてタンバリン、ウッドブロック、スズ、トライアングルが前に立つ指揮者を見つめて最大限に美しい音色を奏でていました。
リズム打ち、楽器の響かせ方もなかなか確実なもので、練習終了後、ひとりひとりが真面目に一生懸命に取り組んだ結果、こんなに素晴らしいお歌、マーチが出来上がったことを褒めました。更なるエールを送る気持ちで子どもたちひとりずつの笑顔の瞳を見ていると、4月から一年間をかけて築き上げてきたクラスでの学びの一つずつが、舞台発表の緊張にも耐えうる力となり、歌の声,楽器を奏でる音、そして真っ直ぐに伸びた姿勢を通して開花した姿なのだと思い至りました。
園内は同じく年長の劇、年少のお遊戯についても、日々の練習を重ねる中に自信と成長が確実に見られ、園一つになって3学期発表会に向けて進んでいるところです。
一方、季節最終のインフルエンザが少々流行る気配がございます。週末は十分に休養、充電していただき、また来週に備えて下さいますようお願いいたします。
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本日は、園内通信「お知らせ71」「お知らせ72(年長児用)」をお出ししました。
内容は、
「お知らせ71」
◇ 3学期生活発表会のご案内
「お知らせ72(年長児用)」
◇ 卒園記念大文字登山
2012.02.16
<サラ> スプレーバラ 日本産
1月後半にお花屋さんにいただいた黄色のスプレーバラ“サラ”は、かれこれもう三週間以上そのままの姿で咲いてくれています。
特にバラの場合、長持ちさせるために水切り(水の中で茎をカット)したあと、ガスコンロの火で茎の切り口を墨色になるまで焼くと(根焼き)、しっかり水あげをして元気になります。
ですがこのバラは、数日に一度新鮮なお水にかえてあげるだけで驚くほどに長生きをしているとても有り難く元気なバラです。
以前、日本に留学していたヨーロッパ(ドイツ)の方がお住まいに招待して下さったときにも、黄色のバラがお部屋に飾ってあったことを思い出します。あちらでは来客のときに黄色のバラを飾るのが習慣なのだそうです。
春が待たれるこの頃ですが、まだひんやりと寒い窓辺をぱっと明るく照らしてくれています。
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『ブルベリーチーズケーキです!』
お天気のよい過日お庭あそびの日、美味しそうなケーキ屋さんが第一園舎前に出店していました。
年中さんの女の子たち数名が、ちょうど園舎の上にある大きなクスノキから落ちてくる実をたくさん集めて「ブルーベリーチーズケーキ」をつくっていました。
私も一緒に実を拾い、上からさらこな(サラサラの砂)をパウダーシュガーの代わりにふりかけて、美味しそうなケーキがいくつもできあがりました。
一つ一つ実をのせて仕事をしていく小さなまあるい手が、何とも言えず愛らしいです。
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本日は、園内通信「お知らせ70」をお出ししました。
内容は、
◇ 3学期生活発表会について
◇ 「3学期生活発表会ビデオ」の撮影,製作について
◇ 今月末お帳面のお預かりについて
◇ 園児名簿関連
◇ 実習生のご紹介
◇ PHP推薦図書のご案内
2012.01.19
<パット・オースチン> イングリッシュローズ 四季咲き 1995年イギリスで作出
オレンジ色のバラ “パット・オースチン” は、イングリッシュ・ローズの育種家デビッド・オースチンの妻の名に由来します。作出した花色を喜び思わず妻の名をつけたそうです。
本来の季節にはもっと濃いオレンジ色となりティー香があります。
冬の間はバラの休眠期なので花はほとんど咲かず、枝の剪定、つるの誘引などをしながら土に栄養を与える作業をしますが、今年は気候が暖かいためか手入れを待つバラにつぼみがいくつもついています。
株にとってはあまりよくないのですが、せっかくつぼみをつけたので開花を待ってしまうことに・・。
花後には十分に肥料をあげて休ませましょう。
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*~すこしtea time~*
〔Marron glacéマロングラッセ〕
ヨーロッパではスイーツの王様と呼ばれるマロングラッセ。
渋皮まで剥き、お砂糖だけで、またはバニラ、ブランデー、ラム酒などを使って風味をつけながら弱火で10日間ほどかけてゆっくり煮詰めてつくられる貴重なデザートです。
栗は堅い果皮に包まれていますが保存性はよくありません。古代ローマ人が木の実を保存するために砂糖漬けにしたのがマロングラッセの由来で、イタリアを経てフランスへと広まりました。
マロングラッセは、もともとヨーロッパでよく見られるマロニエの木の実でつくられていたものが、その後ヨーロッパ産の大きなクリを代用して作られるようになったそうです。
黄金色のマロングラッセ。しっとりと固くなく甘すぎない深いお味はさすがヨーロッパのもの。熱く濃く香りの強めの紅茶とともに・・・。
感謝!
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本日は、園内通信「お知らせ68」をお出ししました。
内容は、
◇ 保護者会まとめ
◇ 園児名簿関連
◇ 第5回ふれあいサタデーについて
◇ 園児の健康について
2012.01.10
<クリスマスローズ “ニゲル”> キンポウゲ科 原産地 ヨーロッパ,西アジア
学名 Helleborus niger. L.‘パウロ’ (ヘレボルス ニゲル)
クリスマスローズを育てていると、日本では春が近づいた頃に開花します。ではなぜクリスマスローズという名前がついているのか不思議に思う方が多いのではないでしょうか。
クリスマスの頃に咲く野バラにも似たクリスマスローズは、本来ヨーロッパに自生する原種「ヘレボルス ニゲル」を指し、美しい真っ白の花を咲かせます。
これは、その原種ニゲルの園芸品種で、‘パウロ’ という名がついています。
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〔3学期スタート〕
明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
本日は、久しぶりに懐かしい笑顔が揃い、いよいよ3学期が始まりました。どの子も元気そうできりりと引き締まったよいお顔をしているのが印象的でした。
そして「明けましておめでとうございます」と新年のご挨拶ができる年少児も多くとても驚きました。
きっと冬休みにご家庭で教わり、お正月に多くの方々と新年のご挨拶をしたのでしょう。ちょうどお隣にいた年長児の女の子は、久しぶりに顔を合わせたお友だち同士で、「あけましておめでとう!」と頭を下げて笑顔でご挨拶を交わしていましたが、その様子がまるで大人のように自然なので感心してしまいました。
いよいよ明後日からはお弁当も始まります。大寒に向けて寒さがいっそう厳しくなりますが、一日一日を元気に楽しく過ごしていきましょう。
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本日は、園内通信「お知らせ65」「お知らせ66」をお出ししました。
内容は、
「お知らせ65」
◇ 諸連絡
◇ 1月分保育料の取扱いについて
「お知らせ66」
◇ 第5回ふれあいサタデーのご案内
2011.12.09
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<リュウゼツラン>(竜舌蘭)
リュウゼツラン科
学 名 Yucca gloriosa
英 名 Spanish dagger
原産地 メキシコ 北米南部
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私が知るこの約25年ほどの間に、咲いた姿は一度として見たことがなかった園内の「リュウゼツラン」。現在、株の中から見上げる高さで白い花が開花しているのが見られます。高さはおよそ3メートルほどあるでしょうか。
12月に入り、下の方の花は少しずつ枯れ落ち、お庭あそびのときに子どもたちが手にとって見ている姿も見られますが、上の方は今でも咲いています。
日本には明治初めに渡来したそうですが、成長が大変遅く滅多に咲くところに出会えないため、英名では「century plantセンチュリープラント(100年に一度咲く花の意味)」と呼ばれているそうです。実際には開花は60年に一度ほどだそうですが、いずれにしても今年は当たり年です。
別名「あつばきみがよらん (厚葉君が代蘭)」、「ユッカ」とも呼ばれ、白い花はメキシコでつくられるテキーラ(蒸留酒)の原料でもあります。花が伸びる前に収穫しデンプンが蓄えられた花茎を蒸し、できた液体を発酵したものがテキーラ酒として飲まれているそうです。
過日、園内で繰り広げられた“お買い物ごっこ”のときにも、青空の下、園庭の隅から子どもたちを見守るように美しく白く咲いていましたが、半世紀~100年に一度咲くというリュウゼツランの花。そう思うと、とても嬉しく幸運が訪れるようなワクワク感があります。
各クラスでも、この植物についてのお話が担任の先生からあったかも知れませんが、竜の舌のように細長い葉のリュウゼツラン。
子どもたちが大きくなった頃、幼稚園の隅に咲いたこの花のことがチラリとでも記憶の隅に残っているとすれば、いつも子どもたちと一緒に過ごしたリュウゼツランは何より嬉しく思うのではないかと思います。
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〔アリジゴクのすみか〕
この中に、すり鉢状になった小さな穴が見えますか? 少しずつ大きさも違います。
12月も半ば近く。いよいよ寒くなりましたが、お庭は相変わらず賑やかな毎日です。
落ち葉の下に隠れている虫を探したり、子孫に命を残して越冬するサナギや昆虫の卵を観察したり・・・。園の図鑑を片手に、また、重さも何のその!と、お家から手提げに入れて毎日持参している大型のmy昆虫図鑑を持ってかけ回るTくんたちの微笑ましい姿があります。
これは、園内の驚くような場所(ヒミツ)でウスバカゲロウの幼虫(アリジゴク)が獲物をとらえるためにつくった巣です。園内の他の場所にもこのようなアリジゴクの巣が存在し、それらを折に触れ観察を続けているのは年長児Hちゃんたち。寒くなったので好物のアリの姿もほとんど見られません。いったい何が捕獲できるのでしょうか。とても不思議ですね。
表向きには昆虫が姿を消す冬になりましたが、生き物はさまざま形で息づいて命をつなぐための工夫をしています。
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本日は、園内通信「お知らせ63」をお出ししました。
内容は、
◇ 「クラスお楽しみ会」で使用するお菓子について
◇ お招き会の送り迎えについて
◇ 子どもたちの健康について
◇ 有馬龍子バレエ団公演ご案内ついて(チラシあり)
◇ 第2回家庭教育セミナー開催のお知らせ(別紙あり)
◇ インフルエンザ予防について
2011.11.30
< 葉の雫 / イングリッシュローズ パットオースチン >
朝外にでると、パラの葉に透明のビーズのような水滴がついているのを娘と発見。すべての葉にこのような雫がついていたのに感動して、思わずカメラでパチリ。
根から吸い上げた水分が葉脈をとおって出てきたのでしょうか。
一粒ずつがとてもきれいに並んでいました。
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〔ヒメヤママユが羽化していたよ!〕
今年の初夏6月末頃のこと、お庭で月Bクラスのみんながサクラの木の下に落ちていたヒメヤママユ(大型のガ)の幼虫を見つけ、のりこ先生と一緒に大きなケースに落ち葉を敷いてサクラの葉を入れてクラスで育てることになりました。しかし、次の日には落ち葉の中で早々とサナギになってしまったのでした。
クラスでは、みんなで「まゆちゃん」と名前をつけて大切に見守っていたところ、サナギはなかなか羽化する気配がないまま9月10月が過ぎ、まゆちゃんが上手く大人になれずに残念だったね・・と、クラスの中でお話をしたこともありました。
そして、そのまま先生がケースを職員室に引き上げ預かっていた先週の11月25日金曜日・・・。ケースの中で何かが動いているのをまみ先生が気づき、見ると大きく立派なガに羽化していた「まゆちゃん」の姿があったそうです!
普通、チョウは二週間ほどで羽化しますが、ガは羽化に随分時間がかかるようです。まゆちゃんは約5ケ月のサナギ期間を過ごしたことになります。
片方の前ばねの長さは約5㎝ほどもあり、後ろばねを広げたらさらに大きくなり4つの紋が現れ、ヤママユガ属ではとても美しいと言われています。
<ヒメヤママユ> ヤママユガ科 学名 Saturnia jonasii
週末を経て早速子どもたちにのりこ先生がお披露目し、サナギのまゆちゃんが立派な大型のガに変身した姿をみんなで見ることが叶いました。子ども達は「よかったね」「お誕生日おめでとう」などと口々に声をかけながら、幼虫→サナギ→成虫へと変化する過程をクラスみんなで観察するよい経験となったようでした。
春から夏に見られるヒメヤママユの終齢幼虫の体は、きれいな黄緑色でふさふさしています。チョウと違ってガは土にもぐってサナギになるので、きっとまゆちゃんはそろそろサナギになるつもりで木から降りたところが土ではなくコンクリートの上だったのでしょう。
カラスなどに狙われることなく、運良く子どもたちに発見され守られながら羽化することができた幼虫。ヤママユガの仲間は、幼虫時代に葉をしっかり食べて栄養を蓄え、成虫になってからは何も食べずに過ごします。口が退化してなくなっているからだそうです。
そして、短い二週間の命の間に、オスとメスが出会い子孫を残します。
まゆちゃんは、クラスのみんなでつけた可愛い名前の通りヒメヤママユの女の子でした(オスは羽毛状の触角がついている)。
短い命を精一杯生きて、今頃、夜のお山の中を飛びながらたくさんの卵を産んでいるかも知れません(^_^)。
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本日は、園内通信「お知らせ61」「お知らせ62」をお出ししました。
内容は、
「お知らせ61」
◇ お招き会出演について
「お知らせ62」
◇ 園長先生との家庭教育相談について
2011.10.27
<ツマグロヒョウモン>♀ タテハチョウ科 学名 Argyreus hyperbius
(褄黒豹紋) 英名 Indian Fritillary
はねの裏は落ち着いた色 はねを広げると鮮やかな色が現れる
「せんせい、お庭で見つけたよ。育てて!」
年長児Tくんはとても昆虫が好きで、こう言って幼虫を預けていったのが暫く前のことでした。
だいたい幼虫はその食草の葉の上にいますが、木の上などからポトンと落ちているのを子どもたちが見つけることもあります。この幼虫もそうして落っこちていたそうです。
真っ黒の体の真ん中に赤いスジが1本あり、同じ赤色のトゲトゲが体にたくさんついている幼虫でした。
さあ、ごはんをあげなくてはいけません。この子(幼虫)は何をたべるのか・・・。
こんな時のために入手した大型の図鑑「日本産幼虫図鑑」を開いてみると、お山の中で時折みかける『ツマグロヒョウモン』の幼虫であることがわかりました。スミレ科の植物を食べることは知っていましたが近くに該当する葉が見当たりません。ほかに何の葉で代用して育てようかしらと迷っているうちに、早、次の日には黒っぽい蛹になってしまいました。
蛹にもトゲのような突起があり、左右5個ずつの金色の点が並んでいました。蝶、蛾ともに蛹のときに触れると、ピクピクと踊るように蛹のまま体を動かすのがとてもユニークです。
気温がぐっと低くなってきたので、恐らく越冬して来年の羽化を予想していたところ、約2週間後の今週初め、秋晴れの朝に虫かごの中で羽化していました。
お外あそびの時間、ちょうど園長室にやってきたTくん達数名と幼虫が元いた場所に連れて行き虫かごの中をみんなで見つめていると・・・。
ゆっくりゆっくり前ばね後ろばねが開いてゆき、やがてとても鮮やかで美しいはねの色が現れました。映画のワンシーンを言葉もなく見つめているような沈黙の瞬間でした。
子どもたちはこういった目を見張る出来事には決して多くの言葉は口にしないものです。ただ凛々しく真剣な眼差しで見つめています。暫くしてTくんはこう言い切りました。
「これは、ツマグロヒョウモンのめす。おすは表のはねは赤くはないから。」
すでにお家の図鑑で調べていたTくんの瞳は、本当にキラキラ輝いていました。
ちょうどその瞬間に居合わせた年少児Dちゃんもそれはとても嬉しそうで、そんな様子を見ていた私も心から嬉しくなりました。
(メスの鮮やかな色は、カバマダラ(有毒のチョウ)に擬態しているようです。自然は不思議です。)
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【年長児歯科検診】
本日は、山下和夫先生(ヒラノ矯正歯科クリニック)にお越しいただき、午前10時より歯科検診を実施しました。
〔検診終了後、和夫先生より模型を使ったお話を聴く子どもたち〕
毎年、歯科検診の時間は各クラス約1時間ほど、全員が検診を終えるのを「お話をせずに静かに見守りながら心を落ち着けて待つ時間」としています。担任の先生は健康診断票に結果を記入、私は歯科助手などをしますが、途中、特に顎関節の小さな音が周りの音にかき消されて聞き取れなくなってはいけません。
子どもたちは自分の順番がくると、和夫先生と時折お話もしながらリラックスしてお口を開いて診てもらいます。
「よくみがけてるね、誰にみがいてもらうのかな?」 「ぼくはお誕生日はいつだった?」などなど。そうしながら、虫歯、咬合、歯列、顎関節を1人約3分ほどを目途に十分に診ていただきました。
大抵の子どもたちは、お母さんに仕上げ磨きをしてもらっていて、中にはお父さんが毎日みがいて下さるご家庭もありました。
各クラスとも終了後には全員が和夫先生の前に集まり、歯の大型模型とブラシを使った時間を持ちました。
「なにを食べたら虫歯になるかな?」「そうだね。お菓子がダメなんじゃないよ。食べ方が大切。だらだらと食べているのがダメ。そして食べ終わったら歯を磨くことが大切。」
「虫歯にならないようにまず一番しっかり磨くところは、ここ、かみあわせの部分。」
「次は歯の側面。こうして磨くんだよ」
「みんなの歯を診ていていちばん磨き残しのあるところは、下の歯のこの部分」(下の歯の奥歯の内側部分)
「上の歯で磨き残しが多いのは、この部分」(上の歯の奥歯の外側と一番奥の部分)
「さあ、これで磨けた終わり、かな? ダメだね、あと何が大事かな?・・・そう、フロスだね。今日もって帰るフロスでどの歯の間も必ず毎日通しておくようにしましょう」
Q&A方式で、歯や顎にとって大切な食べ物のお話などもお聞きしながら、子どもたちはよく理解して先生を見つめて真剣に聞くことができていたようでした。
最後には和夫先生からのご褒美として、楽しいミッキーマウスのマジックを披露して下さり検診は終了となりました。
健康診断票は明日お持ち帰りいただきます。内容については園までお問い合わせいただいても結構ですし、歯科医院受診の参考になさって下さい。
(^^)〔山下和夫先生は、みんなの大先輩です。昔、この幼稚園に通っておられました、というのは勿論のことで、太郎先生と兄弟(弟)でこのお山の中を走り回って成長された方です。ご紹介まで。〕
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本日は、園内通信「お知らせ55」をお出ししました。
内容は、
◇ 園児募集ポスター掲示のお礼
◇ 敬老会に出演される方へ
◇ カプラ教室について
◇ 運動会ビデオについて
◇ 歯科検診について
◇ 就学時健康診断の“送り”について(11月,12月)
2011.10.21
〔 アレンジメント もくれん かき しだ もみじ あじさい 〕
アップにするとずいぶん立派ですが、本当はとても小さな手づくりのお飾り。
気持ちのよい爽やかな秋を感じる一昨日、年長児のお下げ髪のFちゃんが、「はい!あげるよ」と突然手渡してくれた素敵なアレンジメントです。嬉しかったのは勿論のこと、小さな手でつくられた見事なひらめきとそのセンスに本当に驚いてしまいました。
モクレンの葉の上に落葉した赤い柿の葉を重ね、真ん中に穴を開けたところに、かすかに秋色に色づいた紫陽花、イロハモミジとシダの葉が上手に差し込んであります。イロハモミジには、園の子どもたちがよく知っているプロペラ状の種もおまけについています。
自然の中にある身近な秋の色を使って表現することができるFちゃんの感性が、このままどこまでも伸びやかにふくらんでいくように願うばかりです。
園内はいま、真っ赤な柿の葉が毎朝たくさん落ちてきて、見上げるとオレンジ色の実がたくさんぶら下がっているのが目に入ります。
言葉にはしなくてもそんな自然からの贈り物の数々を子どもたちはちゃんと気づいていて、「もうすぐあのイチョウの葉っぱも黄色くなるから・・」と言いながら、一面の赤い落ち葉を小さな手に何枚も重ねていく女の子の姿があります。
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〔これは何でしょう?〕
「せんせい! みつけた!」
つい先日のこと。年長児Hくんが、「ぼくはまだアリジゴクを見たことがないんや・・」とつぶやいていたので、お庭の隅の砂地の場所などを一緒に探してみた日がありました。
そして一昨日、とうとうお目当てのこの虫をお庭のある場所で発見したのでした。図鑑などでよくみて知っていたのですぐにこれだとわかったようでした。
子どもたちはみな自然のメガネを持っているのですが、特大サイズのメガネを持っているように思われるHくんには、とうとうあちらからお望みの虫が姿を現してくれるようになったのでしょうか。
私も実際にはまだ目にしたことがなかったので、歓声をあげてしまったほどでした。
これは、『アリジゴク』(クロコウスバカゲロウの幼虫)です。
アリジゴクは、砂地にすり鉢状の穴をつくって沈んで潜み、落ちてきたアリなどを捕食します。
早速子どもたちが砂場でつくる泥団子用の「さらすな」(サラサラの砂)とお庭の隅の黄色い砂をブレンドしたものを虫かごに入れ、Hくんが見つけたアリジゴクを入れると直ぐにお尻からズブズブと砂に沈んでいき、頭だけ出して獲物を待つ態勢に入りました。
だからと言って、獲物のアリやその他の生き物を入れるには忍びないのでそのままにし、次の日にはクラスのみんなにも紹介してあげることができたようでした。そして今日、元いた場所(砂混じりの芝生地)に大切に返してあげ、元気に歩いていく様子を見守るHくんの姿がありました。
ウスバカゲロウの幼虫アリジゴクは、土や砂で土まゆをつくって中でさなぎになり、夏の初めに羽化するようです。
トンボに似たウスバカゲロウが飛んでいるのを見たことがある方は多いでしょう。でも、アリジゴクの生態や成虫の姿を思うと、とてもユニークで不思議な昆虫です。
普通は成虫になるまで2年もかかるそうですが、このクロコウスバカゲロウは1年で成虫になるようです。
Hくんの「いつか見たい・・」という思いが叶ったアリジゴクとの出会い。ドラマチックな出来事でした。
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本日は、園内通信「お知らせ53(年長児用)」「お知らせ54」をお出ししました。
内容は、
「お知らせ53」
◇ 月ぐみ 就学時健康診断について
「お知らせ54」
◇ 敬老会について