2007.11.22

11月22日(木) / スダジイの実・今週の園内・園内通信

s-DSC_0163.jpg
   <スダジイ>  ブナ科 シイ属 
              学名 Castanopsis cuspidata var. sieboldii
              別名 イタジイ,ナガジイ   
このスダジイの実は、よくあるドングリと少し形が違います。殻斗(かくと)が実を包んでいて、成熟すると先が裂けて開いてきます。大きさは長さ1.7 ㎝ほど、細く小さめの独特な形をしているのがユニークです。また、この中の実はアク抜きせずに食用になり、渋みもなく甘味があるほどです。
「どんぐり」と言う呼び名は、ブナ科の木の実の総称で、実際に「どんぐりの木」というのはありません。京都の四条方面に「団栗(どんぐり)通り」という名の通りもありますが、団栗と書くのは、団は丸いの意味で栗に似ていることからつけられた当て字とのこと。
日本には約20種類、そして世界には約300種類ものどんぐりの成る木(ナラ,カシ)がありますが、我が国日本でも縄文時代からどんぐりを主食とし、その調理用具として縄文土器が作られました。
先日、京都国立博物館の常設展に立ち寄ったところ、日本の縄文土器やどんぐりをつぶして粉にする道具をちょうど見ることができました。一方、ヨーロツパでもどんぐりのなるナラ類やカシ類をオークと呼び、およそ2000年前のローマ時代にも、どんぐりを干し砕きパンにして食べていた歴史があります。人類は、どんぐりを食料として重宝し木を大切に扱い、また今もなおどんぐりを食料としている地方があると聞いています。
加えて、私の中でどんぐりと言えば最近ピン!とくるのが、昨今ブームとなっているスペインの「イベリコ豚」です。イベリコ豚は、昔風にほぼどんぐりだけを食べて育っています。その脂身と香りが大変魅力なのですが、どんぐりを食料としていることから、脂身も果実オイルと同じ100%オレイン酸で健康にもよいとのこと、美味しいし嬉しく有り難い限りです!
---
【今週の園内は】
今週は、寒さとともにまた一段と秋が深まりました。イチョウ,サクラの葉は勿論のこと、大階段のもみじも大半が真っ赤に紅葉してきましたので、お庭の雲梯辺りからの眺めは最高です。
年長児は自分で描きたい場所を見つけて写生をしたり、年中児は園庭に大きく長い紙を広げて青空の下、「ぼくたちわたしたちの街」をイメージして絵を描いたり、上着とおかばん持参でピクニック気分でお庭の青空弁当を楽しんだり、園外の公園へ遊びに行っては、ポケットいっぱい木の実拾い,おしくらまんじゅう,色おになど、体を動かしゆく秋をたっぷり満喫する日々を過ごしました。
また、年長児の室内遊びではクラスの垣根を隔てて、“お絵描きコーナー”“折り紙コーナー“おもちゃコーナー”“ボールころがし輪投げコーナー”などをつくって合同で自由に遊べる体験もしました。子どもたちの表情も真剣且つ大喜びで、大変楽しい時間を持てた一週間でした。
---
本日は、園内通信「お知らせ67」と『歯科検診報告』(年長児のみ)をお持ち帰りいただきました。
内容は、
◇ 年賀状について
◇ 暖房費について
◇ 12月お弁当の保温について
『歯科検診報告』については、【虫歯】【歯垢の状態】【歯肉の状態】【咬合】【顎関節症】について、本園園児対象にオリジナルデータをとってくださり、細かなアドバイスが記載された内容です。歯科検診当日にお持ち帰りいただいた「検診票」と併せて、じっくりご覧いただけたらと存じます。

2007.11.13

11月15日(木) / アキグミの果実・お買い物ごっこ・園内通信

s-DSC_0210.jpg
    <アキグミ 秋茱萸>  グミ科  原産地 日本,中国,韓国
                    学名 Elaeagnus umbellata
     s-DSC_0212.jpg
今、アキグミの木に、赤く可愛らしい実がたくさん成っています。さすがの子どもたちも、すぐ下を通っているのに気がついていないようです。樹高は2~3メートルほどで葉は白っぽい緑色をしています。11月に入り、実は随分赤くなりましたが、口に含むとまだ強い酸味があります。勿論食用で、日毎に少しずつ甘味は増してきます。アキグミの木が山ほど生えているところがあれば、たくさんアキグミ摘みができて美味しいジャムが作れるんだけどなあ・・・。
---
本日は、秋の大イベント「お買い物ごっこ」でした。子どもたちと先生が、約1ケ月間、ひとつ一つ作り溜めてきた品物が園庭と第一園舎を使って一同に披露され、爽やかな青空の下笑顔溢れる一日となりました。昨日、園長室に、きのこ型のお手製招待状と、どんぐりのお買い物バッグが届きました。バッグには、これまたお手製のお金(お札とコイン)が詰められ、クレパスで描いた可愛い数字がいっぱい並んでいました。
さあ、いよいよ10時ちょうど。お買い物ごっこがスタートです!
s-DSC_0238c.jpg s-DSC_0240.jpg s-DSC_0244c.jpg
  スタートの合図を待っています     そろそろ始まるかしら      いらっしゃい、いらっしゃーい!
s-DSC_0289c.jpg s-DSC_0288c.jpg s-DSC_0290c.jpg
  お庭の看板がにぎやか         さあ、はじまるわよ!       お祭りの提灯いっぱいのお庭
s-DSC_0270c.jpg s-DSC_0272c.jpg s-DSC_0252c.jpg
  動物くんのお帽子いろいろ      かわいいヨーヨーですよ       くじびきの提灯看板がいいね  
s-DSC_0254c.jpg s-DSC_0260c.jpg s-DSC_0249c.jpg
  輪投げはいかがですか~      ライオンのお口にボールポン!  金魚すくい、していってやぁ~!
s-DSC_0283c.jpg s-DSC_0284c.jpg s-DSC_0286c.jpg
人気抜群!ドングリ迷路のおもちゃ   売り切れ続出!優秀作品!   びっくりドングリも楽しいよ~
s-DSC_0277c.jpg s-DSC_0280c.jpg s-DSC_0292c.jpg
ゆらゆらドングリはいかがですかぁ~ 今チェンジ待ち、買いに行くぞぉ  ドングリハウス お一つずつどうぞ!     
          s-DSC_0298c.jpg
                   **今日の私のお買い物勢揃い!**
こんなに楽しいお買い物ごっこは、子どもたちも私たちも夢中になりました。本当に欲しくなる品物ばかりがずらりと並んで目をひきます。「これください!」と声をかけると、『はい、どうぞ!』とまずおつりを渡されたあと、すぐ横から品物が3つほどさっと素早く出てきます。「えっ?こんなにたくさんいいの?」とたずねると、『もちろん』とコックリ笑顔でうなずいてくれる年少児さんたち。でも今年は、どの学年のどのお店もほぼ同じで大変気前がよく、「ください」と言うと3つほどくれるのが不思議で、何だかとっても幸せな気持ちになりました!!! どの子も、はじめは少し勇気を出して欲しいものを買いに行き、お目当てが買えたときにはやはり満足げな表情です。買い手売り手の役割が交代してからは、精一杯「いらっしゃーい、いらっしゃーい」と声をかけて、どのコーナーもすぐに売り切れ続出。力を合わせて売り切れたとき、年長児さんはみんなでバンザイをして、達成感の笑顔でいっぱいでした。
品物づくりの段階から、保育の中で色々なエピソードが織り込まれた夢いっぱいの作品と、子どもたちのさまざまな思いが行き交った大ショッピングモールは、秋のやわらかな陽射しに包まれて幸せな笑顔がキラキラと輝く場所となりました。
---
本日は、園内通信「お知らせ66」をお持ち帰りいただきました。
内容は、
◇ 週末第5回ふれあいサタデーについての補足
◇ 11月現在の子どもたちの健康についてのご報告
◇ 福音館・PHPのおすすめ図書のご案内

2007.11.07

11月7日(水) / 木の実や落ち葉で作るかんたんポプリ・鳥のお客さん・今日に感謝・園内通信

s-DSC_0196c.jpg
    <かんたんポプリ>   ポプリ=フランス語 pot-pourri が語源
ほんとうのポプリは、すべて干して乾燥させ、最後にお好みのエッセンシャルオイルを振りかけて1~2ケ月間暗い場所で発酵させてから使いますが、これは昨日、「山の学校しぜんクラス」で子どもたちと一緒にお山の材料を集めて作った、即席ミニポプリです。子どもたちも一皿分ずつ、花,木の実,葉っぱをとりどり拾い集め、最後にみかんの皮を添えて完成させました。
今、この季節、自然に色づけられたお庭の葉のグラデーションは一枚一枚がすべて異なり、真っ赤,オレンジ,黄色・・・などなど、目に入った落ち葉を手に取るたびに、心がワクワク浮き立つ思いがしてきます。
この小さなポプリの中には、サクラ,ミズナラ,クス,ムクゲ,スギ,ドクダミの葉、そして濃ピンクのセンニチコウ,アジサイ,オオバヤシャブシの花、メタセコイヤ,コメツガ,ヒマラヤスギの松ぼっくり、クヌギ,マテバシイ,シリブカガシ,アラカシのどんぐり、最後にみかんの皮・・・、こんなにたくさんの植物が詰まっています。眺めているとつい嬉しくなります。
みかんの皮の香りもありますが、最後にマンダリンオレンジの果皮油(エッセンシャルオイル)を数滴落としました。暫くの間、楽しめそうです。
---
     【フリー参観日一日目 月ぐみ園舎内に来た朝のお客さん】
     s-DSC_0188c.jpg
         <名前は何だろう?ウグイス科の鳥かな?>
「おはよう!」と、あるグループの子どもたちが元気に到着した5日の朝。元気に走ってお部屋に入っていった後すぐさまUターンで戻ってきて、『せんせいせんせい、お部屋に鳥が入って飛び回っているよっ』とのことで、すぐさま虫取り網を手に月Bに行くと、窓のカーテンの奥に入って飛び立てなくなった一羽の可愛らしい鳥がいました。驚いて動けなくなっていたので、網に入れて上から手で体をつかみ救出しました。虫かごを使い慣れたGちゃんが、すかさずケースを開けてくれたので、暫くだけ観察させてもらうことになりました。ふと横を見ると、既に鳥図鑑を手にしたGちゃんがページをパラパラめくって調べてくれていました。全体が褐色で目の上に白いスジがあります。お山では、春だけではなく夏の間もずっと鳴いている「ウグイス」の種類のようですがはっきりわかりません。緑がかったり褐色のものも多く、ウグイスの仲間は見分けるのがなかなか難しい鳥です。
「今日はお母さん達が来られるから、きっと鳥さんもみんなを見に来はったのかもね!」と、tomomi先生。あと、みんなでお山に返してあげたそうです。朝の嬉しびっくりのひとときでした。
---
【今日のことすべてに感謝】
秋の一日が暮れました。人生は旅にたとえられることがあります。旅の途中でさまざまな人たちと出会いそしてまた進んでいきます。短かな今日一日を振り返ってみても多くのことがありました。また多くの方と言葉を交わしました。
朝のはじまりから出会うのは子どもたち、先生方、そして配達の方や課外教室の先生、お電話でお話した方、懐かしくなって久しぶりにお山を訪れてくれた小学生のYちゃんTくんKくん達、そして幼稚園と山の学校の保護者の皆さま、大事なお手紙を下さいましたこと、すべての方に感謝の気持ちです。
---
本日は、園内通信「お知らせ65」をお持ち帰りいただきました。
内容は、
◇ 第5回ふれあいサタデーのご案内

2007.11.01

11月1日(木) / キバナコスモス・年長児歯科検診・園内通信

s-DSC_0165.jpg
                                 [府立植物園にて]
s-DSC_0168.jpgs-DSC_0167.jpg
  <キバナコスモス>  キク科  コスモス属    原産地 メキシコ
                 学名 Cosmos sulphureus
そう言えば、10月半ばの静原(おいもほり遠足の日)も、満開のコスモス畑がありとても綺麗でした。コスモス(秋桜)自体は明治20年頃に日本に渡来し、今では秋を感じさせる人気のある花になっています。
この「キバナコスモス」は、ピンクや白の「コスモス」とは違い、花の色はオレンジ,黄色,レモンイエローや赤色の品種などがあります。草丈もコスモスより少し低めです。あと、チョコレートのような色と香りをした「チョコレートコスモス」も魅力的ですが、最近、キバナコスモスとチョコレートコスモスの交配種で、「ストロベリーチョコレート」という品種も作られました。深みのある鮮やかな赤色です。何だか、甘いケーキの香りがしてきそうです。
かつて園芸店で、コスモスとキバナコスモスの種を仕入れ、全色(7色ほど)を一度に地植えしてみました。さあ、どうなったでしょうか?
結果は、キバナコスモスのオレンジ一色だけが一面に咲きました。他の種はなぜ成長しなかったのかよくわかりません。このオレンジ色のキバナコスモスは、次の年にもこぼれ種で同じ場所に咲いてくれました。その土壌に合っていたのと、どうもこの種は生育旺盛な品種のようです。
今日から11月、来春用のチューリップ球根もすでる植える時期に入っています。そろそろ急がないといけません。
---
【年長児歯科検診】
本日午前10時より、ヒラノ矯正歯科クリニック 山下和夫先生による年長クラスの歯科検診を行いました。一人ずつ先生の前で、虫歯の有無や咬合,歯列,顎関節,歯垢の状態などをきめ細かく診察していただきました。一人ずつ健康診断票に記入した結果は明日お持ち帰りいただきますので、今後、一般歯科医院や矯正歯科医院をおたずねになる際にご活用いただけたらと存じます。また後日、和夫先生より『歯科検診報告まとめ』が届きましたら、お持ち帰りいただく予定です。
---
本日は、園内通信「お知らせ63」「お知らせ64」をお持ち帰りいただきました。
内容は、
「お知らせ63」
◇ フリー参観のご案内(各学年タイムテーブル)
「お知らせ64」
◇ 敬老会にご出演される方へ
◇ 就学時健康診断の日の送りについて
◇ 11月からのカプラ教室について

2007.10.30

10月30日(火) / ムクロジの実・園の秋・園内通信

s-DSC_0180.jpg
              <無患子(ムクロジ)の果実>  
       s-DSC_0117.jpg
                 ムクロジ科 ムクロジ属
                 学名 Sapindus mukorossi
ムクロジの実ってご存じですか?木は山地にはえ、15m~20mにもなる落葉高木です。ムクロジ科の植物は世界には1100種類ほどもあるそうですが、日本には2~3種類しかなく、お寺などによく植えられています。
このムクロジの実は黄色っぽい色をしていますが、振ってみるとコロコロと音がします。割ると、中には黒くて丸い種が入っていますが(写真左端)、これはお正月の羽子板で使う羽根つきの球に使われています。そう言えば小さい頃、羽根についた球から白い毛のようなものが出ていて、なぜ?こんなの要らないのになぜついているの?と思ったものでした。
また、果実の皮には「サポニン」という洗剤成分が含まれていて、容器に水とこのムクロジの皮をちぎって入れ蓋をしてよく振ると、白い泡がたくさんでてきます。これでお皿を洗ったり油分を落としたりできるという有り難い実なのです。
実はこの果実は、<京都府立植物園>の“園長さんときまぐれ散歩”(月一度、月末近くの日曜日に開催される) に先日参加して拾ったもの。予定時間になると、定員30名のところにざっと100名近くの方が集まって来られました。そして、その季節の木々や花の見所について、一般によく知られている話題から学名を含む専門的な内容までを、その日の気分できまぐれに案内して下さるという気軽で楽しいひとときでした。
印象的な内容が幾つかありましたが、その一つにロウバイ(蝋梅=冬12月頃~香りの強い蝋細工のような色つやの黄花を咲かせる)の木に案内された時のお話がありました。園長先生のお家にはロウバイの大きな木があり、冬の時季がくると毎年咲いてくれるそうですが、実はその木は、ご自身が幼稚園の頃に当時の植物園の園長先生からお話を聞いて、ロウバイの実をもらって帰ってご自分の家に植えたものが今大きな木になっているということでした。
そして年月が経過した今、植物の専門家として幼い頃にも来られたロウバイの木の下で、大好きな植物の話を大勢の方にしておられる様子をうかがい、とても感慨深く素敵なお話だなと思いました。
「12月に入ると花の数は少なくなるけれど、冬の大芝生地の真ん中に立って360度見渡してください。すると、いろんな声や音、また香りがしてくるかも知れない、そうして辺りの雰囲気を五感で感じとることができます。また寒い雪の日にこそ植物園は最高、是非植物園に来てほんまもんの植物に接して下さい。」という熱いメッセージもウェブに載っていました。今はドングリがいっぱい落ちています。私はつい、マツボックリ拾いに夢中になります。
皆さんも一度お出かけになりませんか!
---
【園の秋】
いま幼稚園の中は、紅葉した落ち葉でいっぱいです。真っ赤なサクラの葉や色とりどりのカキの葉が目にとまります。お馬さんの上のクスノキの黄色の落ち葉も、見逃せない魅力的な色です。
今日はこどもたちと、“むかご”(ヤマノイモの実で、ご飯と炊いたりそのままでも食べられる)をとったり、何だか不思議な実をいくつも拾ったり、マテバシイのドングリを見ながら食べられるスダジイの話をしたり、どの学年もそれぞれに実りの秋を満喫して自然の中でとても元気に過ごしています。
花壇のセンニチコウにはキチョウがたくさん飛んでいて、横のカラタチの木にはアゲハの幼虫が何匹も見つけられます。カラタチのトゲに包まれた葉の中に卵を産むチョウの知恵に感心するとともに、どんなものもすぐに見つけてしまう「しぜんのめがね」を持つ子どもたちにかかったら、アゲハチョウのお母さんの知恵もお手上げだなあ・・と思わず笑いがこみ上げてきます。手の平に乗せたり虫かごで観察したら、また元の葉っぱの上にかえしてあげています。
---
本日は、園内通信「お知らせ62」をお持ち帰りいただきました。
内容は、
◇ 園児募集ポスター掲示のお礼など
◇ 途中入園のお友だちのご紹介
◇ 歯科検診(年長児対象)のお知らせ

2007.10.19

10月19日(金) / 鹿ヶ谷かぼちゃ・母の与える愛・園内通信

s-DSC_0097.jpg
  <鹿ヶ谷かぼちゃ>  ウリ科  別名 唐茄子(とうなす)
                 学名 Cucubita moschata var meloniformis f.toonas
京野菜の「鹿ヶ谷かぼちゃ」を、ご存じですか?
この瓢箪にも似た珍しい形のかぼちゃは、200年近く京都で栽培されてきた京野菜の一つです。昔、山城国粟田村(現在の東山粟田口で平安神宮周辺)のお百姓さんが津軽の国を旅し、お土産に持ち帰った種を鹿ヶ谷村のお百姓さんが栽培したところ、偶然このユニークな瓢箪型のかぼちゃができ上がったのだそうです。そして、戦前までは、とくにこの鹿ヶ谷かぼちゃが日本でのかぼちゃの主流だったようです。今では京都も畑が少なくなり、「京野菜 鹿ヶ谷かぼちゃ」は綾部市でその多くが生産されているとのことです。これは、小学生のMちゃんが、畑でお父さんと一緒につくられた手作りのかぼちゃだそうです。
始めはみどり色、熟するにつれて綺麗な褐色から橙色に変わります。また、よくある西洋かぼちゃと比べるとリノレン酸が約7~8倍,ビタミンCは約1.7倍など、非常に栄養価が高いようです。煮くずれしにくいので、“そぼろあんかけ”や“いとこ煮”などにしていただきます。感謝!
---
【子を育てる愛】
よく、栄養と水分を与えるだけではなく、語りかけ愛情を注ぎながら育てた植物は立派に花をつけ実がなるといいます。言葉を口にしなくても、一つ一つ花がらを摘みながら手をかけると、また次々と花を咲かせてくれます。そこには、思わず植物が伸び伸びしたくなるような穏やかな空気(オーラ)があるのでしょう。
では、子どもの成長にとって不可欠なものは何でしょう?
ある研究結果が報告されています。子どもたちを非常に自然環境のよい施設に入れ、正しい栄養を与え、きわめて厳格に規則正しい生活を2年間続けました。一方、同じ生活階層の家庭で育った子どもたちとを比較したところ、完璧な条件を満たした施設の子どもたちが、家庭で育った同年齢の子より身長,体重ともに成長が滞っていたそうです。そして、その原因を分析し最終的に残った問題点は、施設長である女性の厳格すぎる性格にあると考えられました。そして次には、情緒豊かな人と交代し、また2年後に前回と同じように比較したところ、今度は施設の子どもの成長がぐんと伸びたということでした。
このような実験ですべてが結論づけられる訳ではありませんが、ここから考えられたことは、栄養の効果がよく現れるかどうかは、それを与える人の「愛情の質」によって変わるのではないか・・ということでした。
子どもの成長にとって、五感の感覚は非常に大切です。五感を駆使しあらゆる情報をインプットして脳を成長させています。上にご紹介しました“親子で土に触れる活動”などはとても大切なことです。そして9歳くらいまでに脳のハードウェアはほとんど出来上がることになります。ですから、子どもが心身共に健やかに成長するためには、愛情に包まれた家庭の空気の質が何より大事になります。一見よいようですが、あまり、「こうでなければ」といった真面目で厳格な空気が漂うと、子どもでなくても周りも辛く窮屈になるものです。
加えて、子どもの脳が出来上がる過程では、親の手で『触ってあげる』という感覚の刺激が大変大きく発達をうながすと言われます。子どもたちを見ていると、もしや親子のスキンシップが足らないのではないかな?と思うことも時折あります。「キレる脳」「キレない脳」などと一時よく言われましたが、親子の愛情のある触れ合いが、脳に深く関係しているとも言われています。ですから、赤ちゃんは勿論、幼稚園から無事帰宅されましたら、よく頑張ってきたねと言って抱きしめて上げたり、頭を撫でてあげたり、忙しい中にもお母さんのゆとりを何とか捻出していただき、ある程度のベタベタは脳の栄養と思って男の子女の子隔てなく、遊びを通してなど子どもに触れるスキンシップの時間を大切になさって下さい。
一方、子どもにとって、お父さまの愛情も不可欠です。お休みの日などは、お父さまとお子さんが手をつないで楽しそうに歩いておられる微笑ましい姿をたびたびお見かけしています。貴重な父と子の触れ合いの時間も、是非積極的にアレンジなさってはいかがでしょうか。
---
本日は、園内通信「お知らせ59」「お知らせ60(年長児用)」「お知らせ61」をお持ち帰りいただきました。
内容は、
「お知らせ59」
◇ 敬老会出演について
◇ 京都府補助金について
◇ 山びこクラブについて
「お知らせ60(年長児用)」
◇ 年長児 就学時健康診断について
「お知らせ61」
◇ カプラ教室について

2007.10.16

10月16日(火) / カラスウリ・funeral・園内通信

s-DSC_0071f.jpg
   <カラスウリ>  ウリ科  学名 Trichosanthes cucumeroides
              
毎年お山の中腹に成り、実が1つか2つほどぶら下がっているのにふと気づかされる「カラスウリ(烏瓜)」はツル性の多年草。花は見たことがないのです。夏の夜にだけ咲いて、白いレース飾りが華やかな幻想的な花だそうです。
多くの花は日中に花を咲かせますが、海辺でよく見られる“オオマツヨイグサ”や“カラスウリ”は夜に花を咲かせ、夜に活動する“スズメガ”などに花粉を運んでもらいます。そしてできた果実はもっと赤く熟します。
同じくウリ科に「キカラスウリ」があります。秋に黄色い果実が成りますが、地中の大きくふくらんだ根からはデンプンが採取されます。これを昔は、天花粉(てんかふん)と呼んで赤ちゃんのお風呂上がりやあせもの部位に使っていましたが、私の子育ての頃からは、体の毛穴をふさぐためあまり使わない方がよいとなった記憶があります。
---
【出会えたことに感謝】
先日、娘の幼稚園時代のお母さん仲間のお一人が天に召され、昨日お別れをいたしました。暫くご無沙汰していた間に密かに闘病生活を送っておられ、別の友人より突然の連絡が入ったのが13日夜のことでした。
ご夫婦ともに、お父さまが大変著名人である境遇を共有されることもあってか大変仲むつまじく、ご家族皆さんが幸せに過ごしておられましたから、なぜそんなに早く逝かれたのか私の理解の及ぶところではありませんでした。
ただ、終始お参りの場をお供させていただきながら、最前列に座られた大学院生の長男さんをはじめ計三人のご子息が、当幼稚園~小学校の時を経て立派に凛々しく成長された姿は確かに間違いのない事実でした。
女性としてとても穏やかで優しいお人柄でしたが、三人のお子さんそれぞれの成長の節目節目では、母親として私が知る由もないほど身を捧げるような思いで見守られたことと察します。
『渇(かつ!)』と言う、禅宗の葬儀の中ほどに叫ばれる言葉に、彼女の魂があの世に送り出されたことを思い我にかえりました。同時に祭壇の上を眺めると、生前と変わらない彼女の遺影が微笑んでいました。私たちはなぜ生きているのか、どう生きればよいのかを思いました。
この世の試練の限りを全うし、三人の子どもたちに身を分けて逝かれた彼女のご冥福と、ご子息の今後の栄えある成長をお祈りしたいと思います。合掌。
---
本日は、園内通信「お知らせ57」「お知らせ58(年長児用)」をお持ち帰りいただきました。
内容は、
「お知らせ57」
◇ 第58回運動会についてのお礼
◇ 秋のおいも掘り遠足代金について
◇ クラス担任との個人面談について
◇ 時代祭について
◇ 10月ふれあいサタデーについて
「お知らせ58(年長児用)」
◇ 進学小学校について
◇ 月ぐみ卒園写真撮影について

2007.10.13

10月13日(土) / 第58回北白川幼稚園運動会!

  【午前の部】
s-DSC_0002f.jpg s-DSC_0006f.jpg s-DSC_0008f.jpg
    年長児「旗体操」         年少・年中児かけっこ         年長児かけっこ
s-DSC_0012f.jpg s-DSC_0017f.jpg s-DSC_0019f.jpg
     年中親子競技           年少親子競技              年長親子競技
s-DSC_0025f.jpg s-DSC_0027f.jpg s-DSC_0033f.jpg
     年中児おゆうぎ        お父さん競技「めだまやき」        未就園児競技
  【午後の部】
s-DSC_0037.jpg s-DSC_0043f.jpg s-DSC_0049f.jpg
     年長児おゆうぎ      年中児リレー「お当番さんリレー」    年長児リレー(女の子)
s-DSC_0053f.jpg s-DSC_0058f.jpg s-DSC_0061f.jpg
             年長児リレー(男の子)                       閉会式
本日は、皆さまのご協力,ご理解をいただきましたお陰で、朝から晴天のもと「第58回運動会」を無事執り行うことができました。二度にも及ぶ雨天延期の末に、念願叶って実施できた思い出深い運動会になりました。そして各プログラムにおいて、子どもたちがこの約1ケ月間に、保育の中で毎日積み上げてきた力一杯の競技,演技を皆さまにご覧いただくことができたように思います。
また、ご家族のお父さま,お母さまの競技、お祖父さまお祖母さまと園児の競技についても多くの皆さまがご参加下さり、花あり,勢いあり,愛情に包まれた思い返すたびに楽しく幸せな時間であったように思います。
4月に新年度を迎え、まだ半年しか経っていないとは思えないほど成長された年少児、更にたくましくなった年中児の姿が見られました。また、幼稚園最終学年の年長児「旗体操」や、捻りはちまきで威勢のいい「お遊戯」、そして何より最後の「クラス対抗リレー」では、バトンを手にグランドをけって走り続け、次に待つお友だちにしっかりとバトンを渡すことができました。そして走った後も、クラスのお友だちの頑張りを一生懸命応援する姿が印象的でした。
秋晴れの空の下、小学校の約100m余りのトラックを力いっぱい走りぬいた男女別のクラス対抗リレーは、どちらのリレーも私たち大人にとっても学ぶところの多い、凛々しく立派な姿だったと思います。
今回、早朝より多くのお仕事をお引き受け下さいました役員のお父さま,園児誘導係のお母さま、また遠方から何度も足をお運び下さいました祖父母の皆さま方、そしていつも温かなご理解ご協力を頂戴していますお母さま方に心より厚く感謝申し上げます。本日は有り難うございました。

2007.10.11

10月11日(木) / ポポーの実・おいも掘り遠足無事終了!

s-DSC_0151.jpg
   <ポポーの果実>  バンレイシ科  原産地アメリカ東部,南部
                 学名 Asimina triloba  別名 ポーポー  
                s-DSC_0154.jpg
                  <大きな葉っぱは、なんと25㎝もある!>
『う~ん!とてもいい香り!』。
ポポーの実ってご存じですか?私はつい最近まで知りませんでした。とても可愛い名前です。これは、幼稚園音楽教室の美都子先生のご自宅にできたポポーの木になる果実だそうで、顔を近づけなくても甘く、パイナップルにバニラの香りを混ぜたような何とも言えないよい香りが漂ってきます。
日本名はアケビガキ、英名はpawpaw(ポウポウ)と呼ばれ、日本には明治時代中期に入ってきました。春に紫色~チョコレート色がかった花をつけて、そのあと秋に黄緑色の果実が成ります。果実は勿論食べられて、中にたくさんの黒い種があります。
原産地アメリカでは栽培が盛んなようですが、日本市場で目にすることはほとんどないので(輸送中にとても痛みやすく長期貯蔵が難しいとのこと)、実を試したい方は、苗を仕入れて気長に育ててみられてはいかがでしょうか。花が咲くのが楽しみですよ。
樹高は3m~10m位になるようです。いただくのがもったいないくらい、可愛らしい実です。
---
【おいも掘り遠足を終えて】
今朝目覚めるなり、ポトンポトンと雨の音。「え~?」予報は昨日からまん丸の晴れマークだったのに、どうして??急いで外に出てみると、西の空まで一面雲が広がり徐々に雨音が増してきます。それから、大慌てで電話連絡をお回しする算段となりました。各ご家庭のご協力を、有り難うございました。
早朝、静原「橋本農園」さんにお電話しますと、あちら方面は霧雨なので、水たまりができることもないだろうから大丈夫でしょうとのことでした。降水確率もわずか10%で晴れに向かう予報に願をかけ、無事、9時20分に配車をお願いしていた京都バス3台に学年毎に分乗し、9時30分過ぎには出発にこぎつくことが叶いました。
幸い、宝ケ池通り~北稜高校北の大きな道路~市原方面経由でスムーズに農園へ到着し、橋本農園さんからのご挨拶の後、ひなびた田園風景に包まれてのおいも掘りがスタートしました。畑はまったく濡れずによい土で、一人一つのスコップを手に、「ヨイショ、ヨイショ」と土と大奮闘。シャベルがほしいと思うくらい、大人でも結構の力が要りますが、どの子も忍耐強く頑張って掘り進めていきました。
今年のおいもは、長細い「べにあずま」と丸く大きな「なるときんとき」の種類が混ざっているとのこと。例年と比べてどの株もとてもジャンボなおいもだったように思います。ビニール袋が収穫したおいもでふくらむ度に、子どもたちの表情からは満足と達成感がうかがえました。
          s-DSC_0158.jpg
     <大きな大きなおいも! 手前のは約35㎝もあるビッグサイズ>
その後は記念写真を撮影しました。掘った中で一番大きなおいもを選んで写りますが、一瞬“猫”を抱っこしているのかと思うくらいの大きなおいもを、頑張って抱えている子もいました。
力を出し切った後は、「お腹空いたよ~」の声が相次ぎ、田舎の風景と空気を吸いながらお弁当をいただきました。
1時前には、みんなの何より大事な収穫物のおいもを、ワゴン車に山積みにして出発。各公園に無事届けることができました。静原発の京都バスも予定通り、木ノ本町着。そして、各学年ともお母さんの待たれる公園まで元気に歩いて戻ることができました。
お昼には晴れ間も出てきて、幸運にも実施できた「おいもほり遠足」でしたが、来週は園庭での“焼きいも”などを予定しています。このまま週末予定している運動会が無事に行えて、たっぷりと実りの秋を楽しむ活動が来週からできますように祈りたいところです。
今晩は、おいもの天ぷらかな? おいもご飯かな? お母さんにお料理してもらっての楽しい夕飯のシーンが目に浮かぶようです。

2007.10.09

10月9日(火) / 金木犀・クロアゲハがうまれたよ!・園内通信

s-DSC_0147.jpg
 <キンモクセイ> モクセイ科 学名 Osmanthus fragrans var.aurantiacus
突然、よい香りを漂わせ開花したことを知らせてくれるのは、このオレンジ色の金木犀の花。今年は、先週半ばくらいに咲き始めたようでした。金木犀は、中国南部桂林地方の原産で、日本へは江戸時代に渡来しました。「桂=木犀」を意味しますが、中国の有名な桂林は、この金木犀の花がたくさん植わっていたことからついた地名とのこと。中国では、花で桂花陳酒をつくったり、お茶にまぜて花茶として使用されます。中華街では、確かにキンモクセイ茶などよく目にします。同じ種類に、白花をつける銀木犀がありますが、こちらは控え目でとても上品な香りがします。銀木犀は、金木犀の母種のようです。
---
 【羽化したばかりのクロアゲハ】 チョウの好きなブッドレアの花を入れて
s-DSC_0001.jpg
s-DSC_0146.jpg
今朝、次々に各クラスからお手紙などを届けてくれるお当番さんを迎えながら、子どもたちのお弁当用のお茶を沸かしていたときのこと、近くの出窓に置いていた透明のケースの中で、何やらフワフワと動いているのが目に入りました。ふと見ると、何と、大きなクロアゲハがケースの中を所狭しとはためいているではありませんか。一瞬、なぜ?と不思議に思いました。
理由は、以前、誰かが連れてきた幼虫は、てっきりアゲハの幼虫だと思い込んで子どもたちと2齢幼虫からの成長を見守ってきたものですから、近いうちにアゲハがサナギから羽化するところは見ることができるだろうと思っていたからでした。お陰で今回、アゲハより二周りほど大きなクロアゲハの羽化を初めて見ることができました。キアゲハの幼虫などは体にラインが多く他と区別がつき易いのですが、クロアゲハはアゲハの幼虫と大きさも柄もよく似ています。
さなぎから羽化後、縮んだハネを徐々に広げる様子は残念ながら見られませんでした。幼虫の頃からの経過を知る子どもたちは、小さなさなぎから大きなクロアゲハが出てきたことを思い、不思議そうに見たりハネや体に触れたりして観察していました。
図鑑で見比べながら、カラスアゲハではないし、オナガアゲハにも似ているけど、やっぱりクロアゲハに違いないとの結論に落ちつきました。
---
本日は、園内通信「お知らせ56」・園長便り5をお持ち帰りいただきました。
内容は、
◇ 運動会(延期日)のご参加について
◇ 秋の遠足のお知らせ(お知らせ55追加事項)
◇ 年長児対象歯科検診について

« Previous | Next »