2014.06.18
6月18日(水) / 睡蓮・ひみつの庭の“ママの日”だより (6/17(火)記録)・お話の時間(年中児クラス)
<睡蓮(スイレン)> スイレン科 学名 Nymphaea 英名 water lily
睡蓮と言えば、フランスノルマンディー地方ジヴェルニーにある印象派の画家クロード・モネの庭を思い出します。日本庭園の池につくられた太鼓橋から見える藤や柳の木、水面に映る木々の影や睡蓮の花を見ていると、ゆったり心が満たされる思いがしました。
睡蓮は熱帯性スイレンと温帯性スイレンがありますが、“ひみつの庭”の睡蓮はモネの庭と同じ温帯性スイレンです。初夏から初秋までの水温が高くなってくる頃に水面のすぐ上に花を咲かせます。冬場は地上部が枯れて地下茎で越冬し、春になると小さな葉が顔を出しはじめます。
昨日のビオトープの睡蓮はつぼみの状態でしたので、少し前に撮った写真をアップしました。水中の茎を覆うようにカエルの卵が見られたり、葉の上にちょこんと小さなカエルが乗っていたこともあります。
今は数少ない睡蓮ですが、少しずつ睡蓮鉢を増やして夏の水面を彩る花をたくさん楽しめたらいいなと思います。
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ひみつの庭の“ママの日”だより 6/17(火)記録
梅雨の合間にしては湿度45%~65%の快適ゾーン内にあった昨日は曇り空。日中は30度近くになりましたが、お集まり下さったお母さま方のご協力のお陰でまた一段と手入れがなされたお庭になりました。
子ども達が植えたトマトが約1カ月半の間に大きく成長しています。黄色の小さな花のあとには緑色をした実がたくさん成り、年中、年長児のお当番さんが毎日順番にじょうろでお水をあげています。
「赤く熟してくると必ずカラスが実を食べに来ますよ」と以前お庭に来られたママにお聞きして以来、その対策についてどうしようかと頭を悩ませてきました。昨日、これしかない!とひらめき、台所用のネット(極力重さのないもの)を購入。実のなった箇所を保護することにしました。
トマトエリア、二本の桜の間の草抜き、入口のサークルチェアの周り、ビオトープ周辺の手入れ、と四カ所に分かれて早速作業に入りました。
約1m80㎝ある支柱に更に伸びた茎をくくり付け、茎と枝の間から出てきた脇目をつまみ取ります。
トマトの黄色い花は袋の外に出し、実は袋の中に包み込む作業が続けられます。結構密にトマトを植えたので、奥の方に入って作業をされるのが大変そうです。
弟妹さんのHちゃん。今日もお母さまと一緒に来てくれました。「おかあさん、ありがとう」手際よく手入れされる姿を眺める子ども達。仲良しのお友達がその横を手をつないで走っていきます(右写真)。
大きな熊手をいつの間にか抱えて築山の上へ。お手入れ中のHちゃん、有難う! お気に入りのダンゴムシがレンガの目地を歩く姿を目で追いかけながら。
「おかあさーん、ダンゴムシはどこへいったの」「ほら、ここにいるかも。さがしてごらん」そんな会話が聞こえてきそうです。
昨日、生後三カ月ほどの赤ちゃんを連れてきて下さったママとママの妹さんと。空の下、すっかり睡眠中。日除けパラソルなどご用意できたらよかったですね。ママの妹さんのお子さまや、在園のお姉さんRちゃんに囲まれた賑やかな環境の中で育っているのでどこでも平気で眠ります、とのこと。そう言えば、お姉さんのRちゃんは赤ちゃんを抱っこするのがとても上手。お母さまいわく、一度も落としてしまったことなどないそうです。上の子に無理のない範囲でそのようにさせてあげることができれば、上の子は赤ちゃんにママを取られてしまったとは思わずに、自分にとっても大事な赤ちゃんだと意識できるようになります。
そこへHちゃんのお散歩姿が。「8時間ほど眠ってくれるようになったので助かります」とママ。赤ちゃんと同じ時間に眠れるとママもだいぶ楽になりますね。シンボルツリーの下の草抜きなどを担当して下さったママたち。有難うございます。「気分転換になりました~」とお昼前にお帰りになりました。またご無理なくいらして下さいね。
今日もお越しくださったママ。続きの作業をして下さいます。ロングスカートの装いが優しくとても素敵。でも紫外線除けの日除け帽子、手袋、足元はきちんとガードされています。ビオトープに行くまでのウッドデッキとワイヤーフェンスの間を次々と手入れして下さいます。
「なぜかどのヤブランの中にもスミレが生えていますね」とママ。そう言えばなるほど。なぜでしょう? 日頃ご自宅のお手入れもおありでしょうに、お忙しい中本当に感謝です。私達がこの辺りの手入れまで時間が捻出できず、ずっと気になっていたところに手を入れて下さいました。
手前に大きくなってきたギボウシ(ホスタ)は若芽を食べることもできますよ、とSママ。確かに、口にできるもの、できないものを知っておくことは大切です。一切肥料を加えない自給農法についてのお話や、ご自宅近くに自生するヨモギで作られるヨモギパウダー入りパンやアロマの利用法についてなど、いろいろお話をしながらもママの手は動き続けています。
「今朝、F(卒園児小学生の女の子)のトマトがようやく収穫できて本人も喜んでいるんですよ」とママ。ご家庭のコンポスト堆肥を加えた土でごきょうだいが野菜づくりをしておられるとのこと。収穫できたら1個10円!でお母さまがお買い上げ。そしてご家族で何より美味しく手作りのお野菜がいただけるという循環が素晴らしいと思います。子ども達には家族の中で大事な役割を持たせることがとても励みになります。
早、桜の辺りの作業を終えてビオトープの奥の方に移動されたママ。ナンキンハゼの周辺を手入れして下さいます。スピーディーな手作業に驚きます。昨春植えたヒューケラ、ホスタなどがよく咲いています。
Hちゃんはママのお手伝い? お気に入りのダンゴムシ探しかな?「このヘデラ(ツタ)は残すのですね」。残すもの、除くものに分けて手を進められます。
「これはコナスビですね」とママ。「空き地や畑のまわりに生えて、中の実がナスビの形に似ているのでついた名前です」と実を示してのご説明。私はまったく知りませんでした。あとで調べてみると、サクラソウ科の植物でナスの種類ではないとのこと。
「前回よりも水がきれいになって小さなお魚が増えていますよ」とTママ。今回も素足でビオトープに入って下さいました。「楽しみます!」と仰って下さるのだと太郎先生。太郎先生は長靴着用で、水中のアオコ取りが結構面白いとのこと。早くフナなど藻を食べてくれる魚類を入れないといけませんが、何とか近いうちにと思ってはいます。
アヤメ科のノハナショウブが咲きました。ポット苗なので小さめのお花です。この日のビオトープはTママと太郎先生が担当して下さいました。
5月1日に植えて以来、先生達と途中で肥料を足したのちもすくすく育っているトマト畑。茎が伸びたトマトの中に分け入っての作業は大変だったと思いますが、三名のママが袋を被せながらじっくり取り組んで下さいました。
「キッチン用の“のびる水切りネット(30枚入)”を二袋使い切ってトマトの実に被せたので計60箇所袋をかけたことになりますね」とTママ。皆さまたくさんの作業を有難うございました。
「摘む前に脇芽が育ってしまったので、伸びた枝の先に花を咲かせているところはそのまま生かしておきましょう」とMママ。脇芽であっても実のなる枝は大切に思われるお母さまならではの優しいお気持ち。
「支柱に一度くくり、茎はやがて太くなるためのゆとりがあると安心ですから」とMママのくくり方。なるほど。トマトの実はネットで覆い、花はネットの外に出ているという細やかな配慮。
「トマトは自然のままで実を結ぶのでしたか。または虫などの力が必要ならば袋を覆ってはいけないから」とお母さまのご質問。勉強不足で調べていなかったので写真にあるようにネットで覆って下さったわけです。
後で調べてみると、『トマトは自家受粉ですが自動で受粉するわけではないので受粉する環境が必要。虫が飛び交っている環境なら自然に受粉しますが、そうでない場合は花を軽く指ではじいて受粉させます。指ではじくとパッと花粉が飛ぶのがわかります。』と説明が出ていました。
奥の方のトマトはすでに支柱の高さ1m80cmほど育っており結構たくさんの実をつけているようです。右上写真はハーブエリアですくすく成長しているセージ。
「セージの葉を3~4枚カップに入れ、熱湯を注いでハチミツを入れていただくととても元気になりますよ」と、フランスの某お庭からもらわれたセージを分けて下さった方が教えて下さり、今回お母さま方と初チャレンジしていただいてみました。ほんのり甘くて効能がありそうなお味と香り!
「長生きしたいものは5月にセージを食べよ」という古いことわざがあるようですが、セージは長寿のハーブと言われ、老人の記憶力が回復したり、殺菌、消化、強壮、精神安定に効果があるとのこと。ハーブティーにして飲むと健胃、疲労回復に効き、ハーブティーでうがいをすると口内炎やのどの痛みにも効果あるそうです。先に帰られたお母さまには冷茶も差し上げられませんでした。
そこへ、年長児のお当番さんがkaori先生とお水をあげにきてくれました。毎日かかさずお水をあげてお世話している子ども達。白い袋が被さっているのに気づいたかな。
土中に水分や酸素が取り込みやすいように、お母さま方にトマトの株元をスコップで耕していただいたところでした。ぐんぐんお水を飲んで土の栄養を吸い上げて、まだまだこれからも大きくなりますように・・・。
皆さまがお帰りになられたあと。すっかり美しくなったウッドデッキの周辺部分。福禄寿と関山の桜の間のエリアもすっきりしました。そこに何か植えられるとよいのですが。秋か春の季節が適していますので検討してみます。
ママ達に十分手入れをしていただき、子ども達からは水をもらったトマト畑。右上写真のシンボルツリーを囲むサークルチェアの周りもとても美しくなりました。
ストーン製のカエルの向こう岸には、もっこりと白い塊のモリアオガエルの卵が見えます。ただ一度も産卵しているところが見られないのが残念です。
シオカラトンボが羽音を鳴らして私の周りを飛び回ります。実は、向こうの植え込みの中に潜んでいるムカシトンボとエリア争いをしている最中で、どうもシオカラトンボが優勢の模様。
「必ずトンボはこの石の上に止まってくれる」と信じてカメラを構えていたら、やはりトンボは来てくれたのでした。シャッターの音がするのも気にせず、ここ一番のポーズをとってくれます。
ひらひらと飛び回るミスジチョウ。タテハチョウの仲間で、はねを開いて止まると白いスジが3本あるように見えます。右上写真は庭の中でひっそり花を咲かせていたヤマアジサイ。
園長室までの帰り道、たんぽぽぐみ横の花壇には年少児さんが種から植えたヒマワリが大きく育ってきています。一重咲きの大輪種“ロシアひまわり”です。子ども達が「おおきくなーれ」と声をかけたらまた一段大きくなるようです!
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お話の時間(1)
本日は、年中児クラスでお話の時間を持ちました。子ども達も私自身も大好きな生き物について、今日はみんながよく知っている園内のカラタチの木でお母さんアゲハチョウが産卵すること、やがて卵の殻をやぶいて出てきた赤ちゃん幼虫(一齢幼虫)が脱皮を繰り返し、終齢幼虫を経て羽化するところなどをゆっくりお話してみました。決して長い時間ではありませんが、年中児の子ども達は集中してお話を聞くことができるのに驚きました。また個々に子ども達からの発言もあり、対話式でお話が進められ、何より私自身が楽しい時間だったと振り返っています。
ゆきぐみさんには、お母さんアゲチョウがカラタチの葉に産んだばかりの黄色い小さな卵が一つだけ入ったケースを、ほしぐみさんにはすでに卵がかえって小さな鳥のフンのような黒っぽい一齢幼虫が葉の上に乗っているケースを渡し、クラスのみんなでお母さんアゲハから預かった大切な命を観察しながら育ててもらうことにしました。
今後、お山の中の子ども達目線にあるさりげない話題をテーマに、また、生き物を通して学べる命の尊さについてなど、やわらかな語り口調で子ども達にお話したいと考えています。