2007.10.30
<無患子(ムクロジ)の果実>
ムクロジ科 ムクロジ属
学名 Sapindus mukorossi
ムクロジの実ってご存じですか?木は山地にはえ、15m~20mにもなる落葉高木です。ムクロジ科の植物は世界には1100種類ほどもあるそうですが、日本には2~3種類しかなく、お寺などによく植えられています。
このムクロジの実は黄色っぽい色をしていますが、振ってみるとコロコロと音がします。割ると、中には黒くて丸い種が入っていますが(写真左端)、これはお正月の羽子板で使う羽根つきの球に使われています。そう言えば小さい頃、羽根についた球から白い毛のようなものが出ていて、なぜ?こんなの要らないのになぜついているの?と思ったものでした。
また、果実の皮には「サポニン」という洗剤成分が含まれていて、容器に水とこのムクロジの皮をちぎって入れ蓋をしてよく振ると、白い泡がたくさんでてきます。これでお皿を洗ったり油分を落としたりできるという有り難い実なのです。
実はこの果実は、<京都府立植物園>の“園長さんときまぐれ散歩”(月一度、月末近くの日曜日に開催される) に先日参加して拾ったもの。予定時間になると、定員30名のところにざっと100名近くの方が集まって来られました。そして、その季節の木々や花の見所について、一般によく知られている話題から学名を含む専門的な内容までを、その日の気分できまぐれに案内して下さるという気軽で楽しいひとときでした。
印象的な内容が幾つかありましたが、その一つにロウバイ(蝋梅=冬12月頃~香りの強い蝋細工のような色つやの黄花を咲かせる)の木に案内された時のお話がありました。園長先生のお家にはロウバイの大きな木があり、冬の時季がくると毎年咲いてくれるそうですが、実はその木は、ご自身が幼稚園の頃に当時の植物園の園長先生からお話を聞いて、ロウバイの実をもらって帰ってご自分の家に植えたものが今大きな木になっているということでした。
そして年月が経過した今、植物の専門家として幼い頃にも来られたロウバイの木の下で、大好きな植物の話を大勢の方にしておられる様子をうかがい、とても感慨深く素敵なお話だなと思いました。
「12月に入ると花の数は少なくなるけれど、冬の大芝生地の真ん中に立って360度見渡してください。すると、いろんな声や音、また香りがしてくるかも知れない、そうして辺りの雰囲気を五感で感じとることができます。また寒い雪の日にこそ植物園は最高、是非植物園に来てほんまもんの植物に接して下さい。」という熱いメッセージもウェブに載っていました。今はドングリがいっぱい落ちています。私はつい、マツボックリ拾いに夢中になります。
皆さんも一度お出かけになりませんか!
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【園の秋】
いま幼稚園の中は、紅葉した落ち葉でいっぱいです。真っ赤なサクラの葉や色とりどりのカキの葉が目にとまります。お馬さんの上のクスノキの黄色の落ち葉も、見逃せない魅力的な色です。
今日はこどもたちと、“むかご”(ヤマノイモの実で、ご飯と炊いたりそのままでも食べられる)をとったり、何だか不思議な実をいくつも拾ったり、マテバシイのドングリを見ながら食べられるスダジイの話をしたり、どの学年もそれぞれに実りの秋を満喫して自然の中でとても元気に過ごしています。
花壇のセンニチコウにはキチョウがたくさん飛んでいて、横のカラタチの木にはアゲハの幼虫が何匹も見つけられます。カラタチのトゲに包まれた葉の中に卵を産むチョウの知恵に感心するとともに、どんなものもすぐに見つけてしまう「しぜんのめがね」を持つ子どもたちにかかったら、アゲハチョウのお母さんの知恵もお手上げだなあ・・と思わず笑いがこみ上げてきます。手の平に乗せたり虫かごで観察したら、また元の葉っぱの上にかえしてあげています。
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本日は、園内通信「お知らせ62」をお持ち帰りいただきました。
内容は、
◇ 園児募集ポスター掲示のお礼など
◇ 途中入園のお友だちのご紹介
◇ 歯科検診(年長児対象)のお知らせ
2007.10.19
<鹿ヶ谷かぼちゃ> ウリ科 別名 唐茄子(とうなす)
学名 Cucubita moschata var meloniformis f.toonas
京野菜の「鹿ヶ谷かぼちゃ」を、ご存じですか?
この瓢箪にも似た珍しい形のかぼちゃは、200年近く京都で栽培されてきた京野菜の一つです。昔、山城国粟田村(現在の東山粟田口で平安神宮周辺)のお百姓さんが津軽の国を旅し、お土産に持ち帰った種を鹿ヶ谷村のお百姓さんが栽培したところ、偶然このユニークな瓢箪型のかぼちゃができ上がったのだそうです。そして、戦前までは、とくにこの鹿ヶ谷かぼちゃが日本でのかぼちゃの主流だったようです。今では京都も畑が少なくなり、「京野菜 鹿ヶ谷かぼちゃ」は綾部市でその多くが生産されているとのことです。これは、小学生のMちゃんが、畑でお父さんと一緒につくられた手作りのかぼちゃだそうです。
始めはみどり色、熟するにつれて綺麗な褐色から橙色に変わります。また、よくある西洋かぼちゃと比べるとリノレン酸が約7~8倍,ビタミンCは約1.7倍など、非常に栄養価が高いようです。煮くずれしにくいので、“そぼろあんかけ”や“いとこ煮”などにしていただきます。感謝!
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【子を育てる愛】
よく、栄養と水分を与えるだけではなく、語りかけ愛情を注ぎながら育てた植物は立派に花をつけ実がなるといいます。言葉を口にしなくても、一つ一つ花がらを摘みながら手をかけると、また次々と花を咲かせてくれます。そこには、思わず植物が伸び伸びしたくなるような穏やかな空気(オーラ)があるのでしょう。
では、子どもの成長にとって不可欠なものは何でしょう?
ある研究結果が報告されています。子どもたちを非常に自然環境のよい施設に入れ、正しい栄養を与え、きわめて厳格に規則正しい生活を2年間続けました。一方、同じ生活階層の家庭で育った子どもたちとを比較したところ、完璧な条件を満たした施設の子どもたちが、家庭で育った同年齢の子より身長,体重ともに成長が滞っていたそうです。そして、その原因を分析し最終的に残った問題点は、施設長である女性の厳格すぎる性格にあると考えられました。そして次には、情緒豊かな人と交代し、また2年後に前回と同じように比較したところ、今度は施設の子どもの成長がぐんと伸びたということでした。
このような実験ですべてが結論づけられる訳ではありませんが、ここから考えられたことは、栄養の効果がよく現れるかどうかは、それを与える人の「愛情の質」によって変わるのではないか・・ということでした。
子どもの成長にとって、五感の感覚は非常に大切です。五感を駆使しあらゆる情報をインプットして脳を成長させています。上にご紹介しました“親子で土に触れる活動”などはとても大切なことです。そして9歳くらいまでに脳のハードウェアはほとんど出来上がることになります。ですから、子どもが心身共に健やかに成長するためには、愛情に包まれた家庭の空気の質が何より大事になります。一見よいようですが、あまり、「こうでなければ」といった真面目で厳格な空気が漂うと、子どもでなくても周りも辛く窮屈になるものです。
加えて、子どもの脳が出来上がる過程では、親の手で『触ってあげる』という感覚の刺激が大変大きく発達をうながすと言われます。子どもたちを見ていると、もしや親子のスキンシップが足らないのではないかな?と思うことも時折あります。「キレる脳」「キレない脳」などと一時よく言われましたが、親子の愛情のある触れ合いが、脳に深く関係しているとも言われています。ですから、赤ちゃんは勿論、幼稚園から無事帰宅されましたら、よく頑張ってきたねと言って抱きしめて上げたり、頭を撫でてあげたり、忙しい中にもお母さんのゆとりを何とか捻出していただき、ある程度のベタベタは脳の栄養と思って男の子女の子隔てなく、遊びを通してなど子どもに触れるスキンシップの時間を大切になさって下さい。
一方、子どもにとって、お父さまの愛情も不可欠です。お休みの日などは、お父さまとお子さんが手をつないで楽しそうに歩いておられる微笑ましい姿をたびたびお見かけしています。貴重な父と子の触れ合いの時間も、是非積極的にアレンジなさってはいかがでしょうか。
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本日は、園内通信「お知らせ59」「お知らせ60(年長児用)」「お知らせ61」をお持ち帰りいただきました。
内容は、
「お知らせ59」
◇ 敬老会出演について
◇ 京都府補助金について
◇ 山びこクラブについて
「お知らせ60(年長児用)」
◇ 年長児 就学時健康診断について
「お知らせ61」
◇ カプラ教室について
2007.10.16
<カラスウリ> ウリ科 学名 Trichosanthes cucumeroides
毎年お山の中腹に成り、実が1つか2つほどぶら下がっているのにふと気づかされる「カラスウリ(烏瓜)」はツル性の多年草。花は見たことがないのです。夏の夜にだけ咲いて、白いレース飾りが華やかな幻想的な花だそうです。
多くの花は日中に花を咲かせますが、海辺でよく見られる“オオマツヨイグサ”や“カラスウリ”は夜に花を咲かせ、夜に活動する“スズメガ”などに花粉を運んでもらいます。そしてできた果実はもっと赤く熟します。
同じくウリ科に「キカラスウリ」があります。秋に黄色い果実が成りますが、地中の大きくふくらんだ根からはデンプンが採取されます。これを昔は、天花粉(てんかふん)と呼んで赤ちゃんのお風呂上がりやあせもの部位に使っていましたが、私の子育ての頃からは、体の毛穴をふさぐためあまり使わない方がよいとなった記憶があります。
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【出会えたことに感謝】
先日、娘の幼稚園時代のお母さん仲間のお一人が天に召され、昨日お別れをいたしました。暫くご無沙汰していた間に密かに闘病生活を送っておられ、別の友人より突然の連絡が入ったのが13日夜のことでした。
ご夫婦ともに、お父さまが大変著名人である境遇を共有されることもあってか大変仲むつまじく、ご家族皆さんが幸せに過ごしておられましたから、なぜそんなに早く逝かれたのか私の理解の及ぶところではありませんでした。
ただ、終始お参りの場をお供させていただきながら、最前列に座られた大学院生の長男さんをはじめ計三人のご子息が、当幼稚園~小学校の時を経て立派に凛々しく成長された姿は確かに間違いのない事実でした。
女性としてとても穏やかで優しいお人柄でしたが、三人のお子さんそれぞれの成長の節目節目では、母親として私が知る由もないほど身を捧げるような思いで見守られたことと察します。
『渇(かつ!)』と言う、禅宗の葬儀の中ほどに叫ばれる言葉に、彼女の魂があの世に送り出されたことを思い我にかえりました。同時に祭壇の上を眺めると、生前と変わらない彼女の遺影が微笑んでいました。私たちはなぜ生きているのか、どう生きればよいのかを思いました。
この世の試練の限りを全うし、三人の子どもたちに身を分けて逝かれた彼女のご冥福と、ご子息の今後の栄えある成長をお祈りしたいと思います。合掌。
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本日は、園内通信「お知らせ57」「お知らせ58(年長児用)」をお持ち帰りいただきました。
内容は、
「お知らせ57」
◇ 第58回運動会についてのお礼
◇ 秋のおいも掘り遠足代金について
◇ クラス担任との個人面談について
◇ 時代祭について
◇ 10月ふれあいサタデーについて
「お知らせ58(年長児用)」
◇ 進学小学校について
◇ 月ぐみ卒園写真撮影について