2016.02.25
2月25日(木) / 草木染め(2)[染色作業](年長児2/9記録)・園内通信
左から、 [染める前の生地布(タオル)] ⇒ [ビワの葉染め] ⇒ [タマネギの皮染め]
💜自然植物の恵みにより綺麗な色に染まりました💜
急いで年長児園舎に戻り、予め子ども達が自分で準備しておいたコンロ、お鍋を前に、グループ5つに分かれての共同作業が始まりました。
大鍋にいっぱいのビワの葉が必要です。ひみつの庭で収穫した青々としたビワの葉を一人ずつ自分のハサミで縦に半分、そして横に細かくカットしていきます。ハサミを使うのはとても上手な子ども達。チョキチョキチョキ、とよい音が響きます。
これでいいのかな?と考えながら慎重にハサミを入れます。紙を切るのはいつものことですが自然の葉をハサミでカットするのは珍しいかも知れません。葉脈がはっきり見える大きなビワの葉です。
手早く作業が進んでいきます。 丁寧にチョキチョキチョキ。
雨上がりだったので土が葉についたところを丁寧に布でふき取っています。
だいぶお鍋にたまってきたね。 黙々と作業中の月Bぐみの子ども達。根気のいる作業です。
静かに集中して作業する様子です。 こちらは後で戻ってきた月Aぐみクラスです。
着々と作業が進んでいます。 大きな葉っぱは縦半分に切ってからハサミを入れていきます。
だいぶたまってきたでしょ。お鍋の上まで頑張るよ。 お鍋の前で細かくチョキチョキ。
僕たちのハサミもよく切れます。葉を切るのは柔らかくて紙を切るのとは違う感触です。
チョキチョキチョキとリズミカルにハサミが動きます。実は子ども達は発表会の劇のセリフを練習しながら葉をカットしているのです。すでにしっかりと頭に入っているセルフがお口からこぼれ落ちてくるようです。
静かな空気が流れ、集中して取り組む様子がうかがえます。 だいぶ増えてきたね。
さあ、もう少しだ、がんばろう! 子ども達への補充分としてスピードアップでカット。
劇のセリフ練習も佳境に入っています。と同時に手作業も滑るように進んでいます。
さあ、そろそろかな。 お鍋にたっぷりカットしたビワの葉。
ボウルにお水を入れてきてお鍋にザーッと入れます。お家でもお手伝いしているのでしょうね、なかなか手慣れたものです。
こちらのグループはお鍋に直接水を入れて運んできました。自分達で考えた方法でやりましょう。次に点火します。火から少し離れてね。
たっぷりのタマネギの皮なのでお鍋の蓋が浮いています。 協力して重いお鍋を運びます。
テーブルの汚れたところを台拭きでゴシゴシと。 ほら、ほかほか^^。手が温かいよ。
ボウルの水をお鍋に流し込みます。 発表会の劇の場面ごとに分かれてのグループ作業なので練習にも熱が入ります。
さて、こちらはタマネギの皮染めのお鍋です。タマネギの皮の量から一つのお鍋でチャレンジです。ゴム手袋を二重にして沸騰したタマネギの皮を絞ります。さすがに少し熱いです。
何だかこちらは温泉街のようですね。実は月ぐみ園舎の中は本当の温泉街のように白い湯気がホクホクと上がっているのです。
温泉みたいだね、温かいよ。 私はこんな感じ。一人一枚ずつのマイタオルを用意してスタンバイしています。
あらあら、こちらも頭にタオルをのせて楽しそうです。 タマネギの皮しぼりを真剣に見つめる子ども達。色がジワッと滲み出てきます。
タマネギ染めのお鍋に白いタオルを入れるとこんな色に・・。 きれいな色ね。どうしてこんな色がタオルにつくのかなあ?
また追加でタオルをいれます。 一つのお鍋に五枚ほど入ります。
さあ、ビワの葉のお鍋が煮えてきましたよ。 まだかな、まだかな・・・
お鍋にタマネギの皮と水を入れて沸騰したら弱火にしてあと10分。その後タマネギの皮はとりのぞきます。
僕たち、劇のセリフのお稽古終わったよ!
ビワの葉を入れて蓋をして沸騰したら弱火にして20分ほどぐつぐつ煮ます。そして火を止めて葉をとりのぞきます。熱湯なので安全のため、ザルで液を移し替えせずに手で絞ります。
ビワの葉が取り除けたら自分のタオルをお鍋にそっと入れてみましょう。
ビワの葉液は最初は色は薄めです。一度液が冷え、再度火を入れるたびに色が濃くなりきれいなコーラルカラーの色合いが深くなっていきます。
では絞っていくからそっと見ていてね。 こちらはどんな感じかな?
白い湯気が上がります。 そしてマイタオルを入れます。フワッ。
お箸を使って色の付き具合を確かめています。 煮て絞ったビワの葉です。後で冷めたらみんなでコンポストに入れにいきましょう。
お弁当の間もクラスの端に寄せてホクホクと立ち上る湯気を眺めながらお弁当を食べました。
ほんのり微かな色がついています。 自然の恵みから色染めをする経験をいただきました。感謝です。
お鍋アップ。淡いとても優しい色合いです。
タマネギ染めはこの時点できれいなマスタードイエローに。タマネギ染めはミョウバン液で色留めをしますがビワの葉染めは色留めの作業なしで染まります。タマネギ染めの布は年長の劇の中で使います。
だんだん時間が経つごとに深い色合いになるビワの葉染め。
残ったビワの葉は「かさじぞう」さんの足元に使用したり、菅笠に張り付けられます。
三日後に一人ずつが手絞りで石段の手すりにタオル干し。なかなか壮観な眺めです!
2月の陽を浴びてビワの葉染めの出来上がり。一人ずつ色合いや濃さが違うのも自然の染料ならではのこと。火を入れる作業を繰り返し、液に浸す時間が長くなると更に濃く染まっていきます。今後も木の実やドングリなど、自然物で染色を楽しめたらと思います。
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現在、京都国立近代美術館に於いて、染色作家で人間国宝の志村ふくみさんの展覧会「母衣への回帰」が催されています。草木からの自然染料で染められた糸によって織り上げられた作品の数々が鑑賞できますが、なかなか素晴らしいものでした。今回子ども達とともに草木染めを試みられたことを振り返りながら、読みかけたまま本棚に置いていた随筆「語りかける花」(志村ふくみ著)を開いているところです。
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本日は、園内通信「お知らせ85」をお出ししました。
内容は、
◇ つき組”卒園記念大文字登山”について