『さっちゃんのかさ』
金森三千雄/文、鈴木博子/絵、岩崎書店1987年
さっちゃんはかさに、おおきなきりんをかきました。
この絵本の表紙は、主人公さっちゃんと みずいろ≠フかさが描かれています。
私がこの絵本とであったのは、小学校2年生の時、図書室の絵本コーナーに置かれていたことがきっかけでした。女の子なのにどうしてみずいろ≠フかさ? というのが当時の私にとって印象的でした。
毎週毎週、私が借りて帰って来るので母が「買ってあげよう」と言ってくれ、本屋さんに行きました。しかし、どこのお店に行っても見つからず、探し回った思い出があります。
それもそのはず、みずいろ≠ニいうのが私にはインパクトがあったため、『さっちゃんのみずいろ≠フかさ』とおぼえ込んで探していたからです。
そんなかいがあって購入し、何度も何度も読み返した絵本なので、ご紹介したいと思います。
あたらしい みずいろのかさ。
まちで かってもらった みずいろのかさ。
さっちゃんは、新しいみずいろのかさを買ってもらいましたが、模様のないかさです。そのためお母さんにきんぎょの絵を描いてもらい、雨の日公園へ出かけて行きます。
そこで、さっちゃんはみずいろのかさをぐるぐる回しました。すると、かさに描かれていたきんぎょが飛び出します。また次にお母さんに描いてもらい、
「それっ! ぐるぐるまわせ」
すると、かえるが。次にさっちゃんが描いて、
「それっ! ぐるぐるまわせ」
すると、きりんが飛び出して、みんなでかくれんぼをしました。私は、この場面がとても大好きです。
思い起こせば、かさに絵を描くことや、雨の日にかくれんぼをすることなど、思いつかないことが描かれていて読むたびに私もやってみたいなぁと、想像を膨らませて、ドキドキ・ワクワクしながら読んでいました。今では、表紙も汚れてきたなくなっていますが、当時の私と母が、一生懸命探し回って見つけた、思い出の絵本となっています。
雨の日は、子どもも大人も、どんよりとした気持ちになっていることが多いのではないでしょうか。そんな時、この絵本を手にとって見て頂き、心はずむ楽しいひと時にしてほしい一冊です。
文章 Noriko先生