お山の絵本通信vol.22

──なつかしい絵本と先生のこえ──

『お月さまってどんなあじ?』
文・絵/マイケル・グレイニエツ、いずみちほこ訳、偕成社セーラー出版1995年

私は小さい頃、絵本が大好きでしたが、今でも大好きで、本屋さんの絵本コーナーを見つけるとふらっと立ち寄り、気になった絵本を1時間でも2時間でも、いろいろと手をのばし、読み続けることがあります。そんな私がこの絵本と出会ったのは、この園でお仕事させて頂くようになって1年目の、ちょうどクリスマス前の今頃の時期で、時々立ち寄る絵本屋さんで手をのばしたのがきっかけでした。

この絵本は「お月さまってどんなあじなんだろ?」と思っていた動物たちがちいさなカメの決心により、みんなで力を合わせてお月さまをかじってみようと挑戦していくお話です。動物たちが力を合わせて挑戦していく姿に"頑張れ"という気持ちになり、それとともに"次は届くかな?"とドキドキした気持ちにもなります。お月さまをついにかじれた時には何とも言えない幸せな気持ちになり、すぐにこの絵本が大好きになりました。

今年、ちゅうりっぷぐみの子どもたちとも一緒に読んでみましたが、読み手の私の"頑張れ"という気持ちがそのまま子どもたちにも伝わったのか、子どもたちも息を飲んで「つぎ、とどくわ」「もうとどきそうや!」と真剣な眼差しで聞き入ってくれました。

パリッ! とお月さまをかじれた時は思わず「やったぁ!」という声も聞こえ、読み終えた後は「あま〜いあじやった!」「おいしいあじやった!」とみんなもすぐに気に入ってくれ、今ではお友だちに絵本を見せながら、「まだまだとどきません。そこでライオンさんをよびました」などと自分なりに考えたお話を聞かせてあげられるくらい大好きになってくれました。

「お月さま読んでー!!」とリクエストの多い一冊、読む度にお月さまの味が変わり、みんなそれぞれに違う味を楽しむことができる一冊、読み終えた後には何ともいえない幸せな気持ちになれるそんな素敵な絵本です。

文章 Mami先生