お山の絵本通信vol.51

──なつかしい絵本と先生のこえ──

『しゅくだい』
宗正美子/原案、いもとようこ/文絵、岩崎書店2003年

今日は私の大好きなお気に入りの一冊を紹介します。

私は、いもとようこさんの描く絵が優しくて、可愛くて、表情が豊かで大好きです。母がいもとようこさんの絵が好きだったこともあり、小さい頃に読んでもらっていた絵本の中には、いもとようこさんの作品がいくつかあったことを思い出します。

そんな訳で本屋さんに行くと、いもとようこさんの絵本は必ず手に取り読んでみます。

 
この絵本ともそうして出会いました。「しゅくだい」って少し難しいお話かなあと思っていましたが、読み終えた瞬間何ともいえない幸せな気持ちになり、迷いなくレジに向かっていました。

絵本の主人公はもぐらのもぐくん。ある日、めいこ先生がみんなに 「だっこ」 の宿題をだします。もぐくんは早く宿題がしたくって跳んで家へ帰ります。でも、お母さんは赤ちゃんのお世話やおつかいで大忙し。なかなか宿題ができなくてしょんぼり、しょんぼり・・・。そんなもぐくんにお父さんやおばあちゃんが聞きます。

「しゅくだい おわったのかい?」
「きょうは、なんのしゅくだいなの?」

「だっこ」

それを聞いた家族のみんなは「そりゃあ いい!」と順番にもぐくんをぎゅう〜と抱っこをしてくれます。その時のもぐくんのお顔が本当にとっても幸せそうで、このシーンではいつも思わず笑みがこぼれてしまいます。

次の日にめいこ先生が「みなさん しゅくだいを やってきましたか?」と聞いた時「は〜い」というみんなのお顔もにっこにこで、この絵本を読み終えた時はいつも子ども達のことを想い、おもいっきりぎゅう〜としたくなります。>私が小さい頃、こんな素敵な宿題が出ていたらどんなに嬉しかっただろう、といつも思います。

子ども達のだ〜い好きな、抱っこ!!

恥ずかしがって「いやいや」としてしまう子もいるかもしれませんが、大好きなお父さん、お母さん、家族に抱っこをされて嫌な気持ちになる子はきっといないと思います。子ども達にとって抱っこは特別! ぎゅう〜とされると心がポカポカになって、たくさんのパワーを得ることが出来るんですね。

私もこれを機会に「だっこ」の宿題を出してみようと思います。子ども達はどんなお顔で「は〜い」と返事をしてくれるでしょうか。楽しみです。私がこの絵本を読んで思わず子ども達をぎゅう〜としたくなるように、お家でもいっぱいぎゅう〜と抱っこして頂ければ・・・と思います。

思わず誰かをぎゅう〜と抱きしめたくなる、そんな幸せいっぱいの絵本です。

文章/Mami先生