『ワニくんのおおきなあし』
みやざきひろかず/文・絵、BL出版1985年
今回紹介する絵本は、『ワニくんのおおきなあし』です。この本の中でワニくんが気づくこと、それは、そのままの自分でいること、自分を好きになること、悪いことばかり考えないで、物事の見方を良い方に切り替えること、自分が生まれたことに感謝すること、です。
絵本通信を何にしようかなと迷っている時、大好きな絵本の中からこの本を思い出しました。大学の授業で知った一冊。短い文章の中に、生きていく中で起こる様々な問題にどのように乗りきるかを、私に教えてくれた一冊です。
ワニくんのうまれつき持っている大きな足。ワニくんは、自分の大きな足が大嫌いでした。歩いていると、大きな足のせいで、画びょうを踏んでしまうし、みんなに足を踏まれてしまう…。知らないおじさんにまで『でっかいあしだ!』と言われてしまったりと、ワニくんは落ち込んでしまいます。足を少しでも小さくしようと洗濯してみたり、冷蔵庫に入れてみたりするけれど、どうしても足は小さくなりません。神様はどうして大きな足にしたんだろうと思った時、大きな足だからこそ良いことがあると改めて気付くのです。
生きていく中で「自分のここが嫌」と感じることがあります。でも、その時に全てを嫌いになってしまうのではなく、こういう所は嫌だけど、こんな良い所もあると思うこと。嫌な面も良い面も全て含めて自分なんだと、そのままの自分を受け入れてほしいと思います。この絵本を読んで、自分の体は神様がちゃんと考えて作られたもので、それぞれの理由があること、そして悩むことなく、明るく楽しく毎日を過ごそうと教えてくれる本だと思います。
文章/Chihiro先生