お山の絵本通信vol.100

──なつかしい絵本と先生のこえ──

『ふゆのよるのおくりもの』
 芭蕉みどり/文・絵、ポプラ社1990年

  「この絵本が良い!」そう言って私か初めて買ってもらったのがこの絵本でした。優しい雰囲気と可愛らしいイラストに幼いながらとても気に入っていたことを覚えています。このお話の主人公は双子のねずみのティモシーとサラ。このシリーズはいくつかあるのですが、その中でも私はこのお話が大好きです。

もうすぐクリスマス。2匹はクッキーを焼いたり、大きなもみの木に飾り付けをしたりと準備をします。クリスマスにお父さんやお母さんと一緒におじいちゃん、おばあちゃんのおうちにパーティーをしに行くのです。でも、2匹はどこか行きたくない様子。なぜならおうちを留守にしてしまったらサンタさんが来てくれないかもしれないから。なので、2匹はサンタさんにお手紙を書いて出発するのでした。

私も幼い頃からクリスマスは大好きでした。母と妹と一緒にクリスマスツリーに飾り付けをしたり、クリスマスケーキを食べたり。妹と一緒にトナカイに変身して“赤鼻のトナカイ”を歌っていたこともありました。そんな中で、一番のお楽しみはサンタさんからのプレゼントでした。

クリスマスが近づくと、絵本の中の二匹のように「今年はサンタさん来てくれはるかなあ?」と少し不安になったことを覚えています。そして、私も二匹のように毎年サンタさんにお手紙を書いていました。

“サンタさんはどこに住んでいますか?”“サンタさんの好きな食べ物は何ですか?”“サンタさんのそりはどうして空を飛べるのですか?”など、毎年どんな質問にしようか考えることも楽しみの一つでした。

クリスマスの朝、目を開けると机の上にはプレゼントとサンタさんからのお手紙がありました。妹と一緒にプレゼントの包み紙を開き、サンタさんからのお返事を読むその瞬間が大好きでした。ドキドキしながら眠りについた気持ちと目を覚ましたときの嬉しい気持ちは、今でも忘れられません。

今思えば、そんな風にドキドキしている自分とティモシーとサラの姿がどこか似ていたから、どんどんこの絵本が好きになっていったのかもしれません。

小学校から中学校、高校へと進むにつれて幼い頃のように盛大ではなくなりましたが、今でもクリスマスには母がケーキを買ってきてくれます。その度に幼い頃の楽しかった思い出が蘇り、家族との話も弾みます。

12月になり、お山の幼稚園にもクリスマスツリーが飾られました。子どもたちとクリスマスカードを作った時、思い思いに自分の欲しいプレゼントの絵を描いている子どもたちの姿を見て何だかとても温かい気持ちになりました。そのワクワクした気持ちをいつまでも忘れないでいて欲しいなと思いました。そして、こうして子どもたちと一緒にまたクリスマスの楽しい気持ちが味わえることを嬉しく思うと同時に、そんな気持ちにさせてくれる子どもたちに感謝したいです。

今回、絵本通信を書くにあたって、久しぶりにこの絵本を読み、幼い頃のことをたくさん思い出してとても懐かしい気持ちになりました。そして、何だかとてもクリスマスが楽しみになってきました。

文章/Chinami先生