『プラスチックのうみ』
ミシェル・ロード/文、ジュリア・ブラットマン/絵
川上拓土/訳、磯辺篤彦/監修、小学館2020年
きれいな青い海の中を泳ぐ魚やアザラシ、カメと思ったら…そこは私たちが捨てたゴミだらけの海でした。
今、子どもたちに伝えたい、環境問題について美しいイラストと分かりやすい言葉で描き綴られている『プラスチックのうみ』のご紹介です。
ごみです。
ぼくたちがすてたごみです。
衝撃的な一文でこの物語は始まります。
そこから物語はリズムを持って繰り返し繰り返し積み上げていく語りで、今海の中で起きている事実を伝えてくれています。
人間が作り出したプラスチックゴミがどのように海を汚し、海に暮らす生き物たちを傷つけたり、命を奪ったりしているのか。そして、きれいな海を取り戻すために今できることは何かを伝えてくれています。
夏休み中、子どもたちと海に行き、めいっぱい遊んだ後、砂浜に落ちているゴミ拾いビーチクリーン≠することにしました。子どもたちにたくさん落ちているゴミがまた海に流れてお魚たちが餌と間違えて食べちゃうんだよ≠ニ話すと、すぐさまゴミあった! こんなんもあった!≠ニ、まるで貝殻拾いをするように夢中になって袋いっぱいにゴミを集めていました。子どもはどんなことも遊びに変えてしまう遊びの名人です。
幼稚園での活動の中で、毎年夏と冬のお野菜づくりがあります。今秋は幼稚園の園庭に落ちてくる葉っぱをコンポストに集めて土づくりに挑戦しました。子どもたちは、コンポストでできた土をバケツいっぱいに入れて畑まで何度も運びます。それから各学年で種植え、苗植え…毎日のお水やりもがんばっています。その過程で失敗したり、苦戦することもありますが、その経験も乗り越えてできたお野菜はきっと格別の美味しさでしょう。
ひと手間もふた手間もかかりますが、手間のかかることを楽しめたらと思います。簡単なことよりもきっと手間をかけてがんばったことは子どもたちの心の中に残るはずです。
楽しいことはもちろんですが、子どもたちには現実を知るキッカケを話したいし、当たり前にあるものは当たり前でなく、なぜだろう?≠ニ疑問に思ってほしいし、どうしたらいいかな?≠ニ一緒に考えることができたらいいなと思います。
あとまわしにしないで いますぐ はじめよう。
この絵本を翻訳した小学5年生の男の子のこの言葉に後押しされ、皆さんにもご紹介したいと思った一冊でした。
文章/Risa先生