こちらは、『英語から古典語へ』(青春ライブ授業!第6回)のレポートです。
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あれは忘れもしない、小学六年生の時のこと。TVのCMで「提供 Calpis」の文字を見て、講師はショックを受けました。
なぜカルピスは Karupisuではないのか? KではなくてCなのか? 最後のuはいらないのか?…頭の中に「?」マークがたくさん点灯した結果、「ああ、中学に行くと、苦手な科目が一つ増えるんだな…」というのが、英語に対する第一印象だったと言います。
「だって、思いませんか? ワンはWANであってほしいでしょう? なぜONEなのか? これは「オネ」であってほしいのに…」
さて、講師が中学生の頃から夢中になったスポーツがあります。それはテニスでした。「もしテニスと出会っていなかったら…」と雨でも雪でもテニスをしたかった日のことを振り返っていただきました。
(硬式テニスだったので、土日だけ四宮のテニスクラブまで自転車で通っていたそうです)
「私はテニスをしたい。だから土日はテニスのためにあるようなものだ。一方、一日は誰にとっても24時間しかない。だから私の勉強法は、人より効率がよくなければならない」
テニスができる時間を捻出するには…そのことがいつも頭の中を去らなかったそうです。
「そうだ、授業中に先生が『ここが大事』と言う部分を、ただノートに写すことはやめて、そこを( )にして、穴埋め問題にしたら、試験前の勉強をしていることになるぞ!」
こうして、テニスへはやる気持ちもさることながら、勉強にやりくりを付ける工夫もまた、講師にとってはオリジナリティを発揮する場として、面白くなってきたのでした。
講師はまた一方で、英語塾にも通っていました。たいへん厳しい塾でしたが、それでもやめずに頑張り通しました。
テニスでは1点差のために汗をかいている自分が存在するのに、自分が同じであれば、どうして勉強に対して努力できないことがあろう。同じあの自分に恥ずかしく思われないようにしよう。そして、何がなんでも、『勉強のせいで、テニスをやめなければならない』という事態だけは避けよう! という考えがあったからでした。
「『私は頭がよくないから』というのは言い訳なのです。家や友達の電話番号は、頭がいいから覚えるのではなくて、よく電話をかけるから自然と覚えるのでしょう。電話帳をはなから覚えるのは無味乾燥です。それと同じで、英単語も、はなから『電話帳』を覚えるつもりではなくて、友達になる工夫を考えてほしいのです。」
「コツは、一つには『貯金する』やり方があります。辞書を引いた時に、thinkがあれば、thoughtも覚える。thoughtfulと言えば、「思いやりがある」という形容詞。その反対は、thoughtlessです。兄弟の顔は似ているのだから、そうやって芋づる式に単語をノートに書き出していけば、百や二百の単語はあっという間にたまる。これが貯金していくやり方です。」
「その反対は、人が作った単語集を一日いくつと決めて覚えていくやり方です。先に借金をして(単語集を買って)一日いくらずつとローンを返していくような勉強、これだと、毎日の勉強は借金取りに追われているようでつらいだけです」
そのように、『努力とは、苦しみに耐えること、というよりも、楽しく工夫すること』というメッセージをいただきました。
(レポート・福西亮馬)