新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。

今は「混迷の時代」だとよく言われます。目に見えた勝ちパターンが見えにくくなったという意味でそう言われるのだとすれば、それが確実な時代というのが本当にあったのか、実はそれすら幻想ではなかったかと反省するよい機会ではないかと思われます。今こそ、両目をあけて、自分の人生の前途をよく見定めたい、そのように思います。

未来を背負う子どもたちには、何より一人一人が道なき道を行く勇気あるパスファインダーであってほしいと願います。もはや「正解」のない時代において、限られた正解一つを選ぶ練習に終始していてどうするのか、という素朴な疑問があります。子どもたちには「正解」を鵜呑みにさせるのでなく、自ら問題を発見し解決できるよう応援していきたいと思います。また、その成果を自分の言葉で他者と共有できるように。

山の学校は、「どこよりも効率的に正解を詰め込む場所」ではない、とするなら、何を学び、何に対して一心不乱に取り組むのか。

私は、一人一人が責任を持って考えぬく場所、言い換えれば「答えを覚える」場所ではなく、「物事をとことん考え」、「その成果を仲間と共有する」経験を積み重ねる場所、と答えたいと思います。

知識ではない、この経験こそ、将来責任ある社会人として世の中に貢献できるための基礎的素養になると考えるためです。

本年もどうぞよろしくお願いします。