山下 育子

今年度の<しぜんクラス>は、『春だなあ!』というテーマで、第1日目4月12日より12名のメンバーでスタートしました。4月5月と、自然からの恵みの春をいろんな角度から感じ、みんなで賑やかに楽しんでいるところです。

毎回クラスのはじめは、古新聞、雑誌などの記事から興味をもったことやみんなに伝えたい内容を見つけて、お家でスクラップノートに貼ってきたものを発表してもらいます。それを受けて、子どもたちは思い思いのコメントを交わしながら「しぜん」の話題が広がっています。

メンバーと共有した、お山の中での自然体験の一日をご紹介します。

“よもぎだんごをつくろう!”――ある4月のクラス

「よもぎって、どんな葉っぱか知ってる?」 『知ってる、道に生えてる。』 『公園で見たよ。』『ギザギサした葉っぱや。』

―――お山のあちこちで、春の新芽を出して大きくなってきたよもぎ。確かに生のよもぎはお店などでは見かけることはありません。その、よもぎの葉を、目、鼻、手の感触でよく確かめながら摘みとって、つづいて、自然の恵みからなる材料(粉、水)を使って“よもぎ団子”を作ろう!ということになりました。

「それじゃ、このお山のどの辺によもぎが生えてるかなあ? 早速みんなで探しにいきましょう。ブタクサと間違えないように。」

『よもぎっていい匂い。』 『葉っぱの裏が白くてフワフワしてる。』
『こんなに採ったらかわいそう?』 『大事にしよう。』

などなど、おしゃべりを続けながら春草の上を目で追いました。よもぎの香りに包まれること約10分ほどで、ボウルにドッサリと葉が集まっていました。教室の玄関前に戻り、手を洗った人から二人一組でペアになり、大きなボウルの中の白玉粉に適量の水を足しながら協力してこねていきました。途中、さっと湯通してから刻んだよもぎが加わります。

『あっ、茹でたよもぎの匂い、さっきの(摘んでた時)と違うよ』 『みどり色のお団子になってきた』作業をつづけながら、口々に感想が出てきます。こねるのは結構の力がいるからなかなか大変です。

全部うまく丸められたところから、湯立ったお鍋の中に一つ一つ手で大事そうに落としていきました。2~3分して浮き上がったら茹で上がったしるし、あと1~2分まってからすくい上げ、冷たいお水につけました。

ふっくらと柔らかな出来映えは、なかなかのもの。よもぎの緑が鮮やかなホカホカのお団子に、少し甘い小豆をのせて、自然の恵みを賞味しました。ちょうど西山へ沈む夕陽が、子どもたちの笑顔をキラキラ照らしていました。
(2005.6)