T.Fujita

高校のクラスではすでに身に付けた英語の知識をさらに応用することを目的としています。英語の勉強は基礎の上に基礎を重ねて積み上げていかなければならないという難儀な性質を持っています。例えば、一般動詞を使った文を組み立てることができなければ、関係代名詞の用法を理解することができるはずはありません。

日本の英語教育は文法偏重型と呼ばれ、「読み書きはできるけど会話ができない」と批判されてきました。しかし、会話を偏重して、書いてあるものはまったく読めない、英語で文章を書くなんてもっての外という状態になっては危険です。英語を話すということは従来の英作文のスピードを速めた状態と言えます。だからこそ、基礎的文法を大切にして積み重ねを重視した授業を行っています。

今年度の高校生のクラスでは、生徒と相談して、英語の教科書ではなく、日本の小説の英語訳や元から英語で書かれた本の一部を精読しました。学校で使用する教科書は、日本人の手によって編集されています。もちろん、ネイティブスピーカーのチェックは入っていますが、生の英語というにはほど遠いものです。英語を母語とする人によって書かれた文章を読むことによって、より実践的な英語力をつけることができると考えています。

基礎的な練習の繰り返しは、単純で退屈なものかもしれません。しかし、英語の学習を一朝一夕にすませる方法はありません。だからこそ、高校生の繰り返し練習をお手伝いできるような授業に取り組んでいます。
(2005.2)