福西です。去年5年生の頃に、高木先生のクラスでYt君、H君、Ys君、Kちゃんの4人で書き始めたリレー小説は、次のような冒頭からはじまります(冒頭はYt君が担当)。近未来の地球とその周辺を舞台にした「宇宙大戦争」をモチーフにしたお話です。
「たいくつだなぁ」
今年、七才になる男の子のマウントは、そうつぶやいた。今年は二千九十五年、世界の人口は、百二十五億人になっている。二千五十年代ごろから、科学と魔法を使ってつくられた。海上、海中、地中、空中の四つの都市が新たに作られた。マウントは、世界最大の海上都市に住んでいる。
今は、太陽にいる生物と宇宙戦争中で、月と太陽の間で戦いが行われている。しかし、地球のほうは、まだ安全だった。
マウントは今、アニーのすすめで魔法を習っている。魔法にはレベル一からレベル百まであり、マウントは、やっとレベル一ができてきたというところだ。(覚えが悪いから。)それ以外は、おもしろいこともない。平和すぎてみんなたいくつすぎるのだ。(担当:Yt君)
この第1話は、いちおう完結しています。ここでは全体を紹介しませんが、冒頭の箇所だけは、次のお話にも共通する世界観や設定が語られている場所なので引用しました。
さて、今6年生のクラスでは、Ys君とKちゃんが、第2話を書いてくれています。第1話はマウントが中心となって展開しましたが、今回はその時に登場した「周りの人物も詳しく書きたい」という希望を活かすことにしました。そこで、第1話でマウントと途中から行動を共にした、「友達のジョージのことを一番書きたい」ということになりました。それで今回は、「マウントとジョージ二人の活躍(あるいは友情)を書こう」と決まりました。
ジョージは、マウントよりも魔法が得意です。「自分だってチャンスがあれば、マウントのようにできるんだ」と、前回の事件で活躍したマウントのことを、すごいなと思いながらも、少々羨ましくも思っているようです。
それで、今回のタイムスリップした先で起こった事件では、ジョージは、「おれたちで解決しよう」と、率先して首を突っ込みます。一方、マウントはというと、「そんなことよりも、早く元の世界に帰ろう」と主張し、意見の食い違いを見せます。目的が違うことで、二人はやや衝突気味です。そのように、最初から二人を協力的には書かず、わざとこじらせてから、より二人が手を組むところにクライマックスを置ければいいな、というところまで考えています。
書き手は毎週交替で、だいたい原稿用紙1枚ぐらいのペースで綴っています。それをしばらく1日ずつの連載という形でご紹介していきます。(本人の了解済み)
(「その1」へ続く)