『冒険者たちを読む』(ことば5~6年、2021/2/25)

福西です。

『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』(斎藤淳夫、岩波文庫)を読了しました! 受講生のR君、おめでとうございます。

イタチとの戦いが終わりました。

オイボレ、ボーボ、渚の三人の仲間を、ガンバは失いました。

ヨイショはガンバを新たな冒険の旅に誘います。

「一度冒険に出てしまったら、一生冒険を続けるのが運命ってものよ。な、ガンバ一緒に行こうぜ。」

ガクシャも言います。

「君は冒険者になってしまったのだ。旅を住処とする仲間にな」

そしてヨイショがもう一度うながします。

「いこう広い世界へ。」

ヨイショは、ガンバの肩をぽんとたたき、ガンバをさそいました。ガンバは、今では、ほとんど視界から消え去ろうとしている島を見ながら、ゆっくりうなずきました。

「よし、それでこそガンバだ!」

ガンバが島影から目線を離さなかったのは、そこに渚の塚があるからでしょう。

うなずく前のガンバの目には、葬った渚の面影があります。

うなずいた後のガンバの目には、生きているヨイショたちの姿があります。

そのコントラストが印象的でした。