福西です。
俳句の作り方をごく簡単に説明しました。
大きくわけて、「取り合わせ」と「一物(いちぶつ)仕立て」の2通りがあります。
A 取り合わせ
「季語でない内容」と「季語」とを組み合わせます。
以下はその中でも一番簡単な作り方です。
1) 自分の発見や、感動したことを5+7で書きとめる。
2) 1)にぴったりの季語をさがす。
最初のうちはできるだけ、1)と2)のあいだに「や」(切れ字)をいれてみましょう。「いったん切って、つなぐ」とき、「すきま」ができます。そこに生じる響き(奥行き)で詩になりやすいです。
取り合わせの難しさは、「季語探し」です。
「季語でない内容」から着手すると作りやすいです。
【例1】
「スーパーの前で、ガチャガチャをしたそうに見ている子がいる」(発見)
→ がちやがちやをじつとせぬ子や〇〇〇〇〇
「そのそばに、チューリップがさいている」(ことにする)
→ がちやがちやをじつとせぬ子やチューリップ 亮馬
【例2】
「マオリ語で、あしたって、アポポっていうんやなあ」(発見)
→ 〇〇〇〇〇アポポはマオリ語のあした
「あしたといえば、タンポポのイメージやなあ」
→ 蒲公英やアポポはマオリ語のあした 亮馬
B 一物(いちぶつ)仕立て
空蝉のいづれも力抜かずゐる みどり女
翅わつててんたう虫の飛びいづる 素十
みたいに、季語のことだけで作ります。ただし、俳句は詩なので、説明口調(散文)にならないように気をつけます。
一物仕立ての難しさは、「いかに月並みを避けるか」です。
ビデオではなくカメラを構えるように、「瞬間」を切り取ると、月並みや説明口調を回避しやすいです。
【例1】
「あ、ウナギだ!」
→ ゐるゐるとのぞかれてゐるうなぎかな 亮馬
【例2】
「夏休みにぶらぶらしてたら、道を聞かれた」
→ 夏休まつすぐここをいつて右 亮馬
【例3】
「赤と青のあじさいを、ぽんぽんさわった」
→ あぢさゐのてんのかみさまいふとほり 亮馬
日常生活のどんなところにも、俳句のタネはひそんでいます。あとは「季語と出会うか」どうかです。お家にある『こども歳時記』をぱらぱらめくって、ぜひ、夏休みに一句でも二句でもひねってみてください。それを見せてくれるのを、楽しみにしています。