福西です。
『海の王国』(ジョーン・エイキン、猪熊葉子訳、岩波書店)を読んでいます。
「4太陽の神さまの城」を読みました。
マルティン、ミハル、ヤネックの三人は、おじいさんとともに、太陽の神ダジボーグのやしろに火を守るという務めを果たしています。その褒美に、ダジボークみずからが現れます。そして三人に、世界中の富、武勇、賢さを見せてくれます。それは三人の将来についての予言でした。
しかしダジボーグは「おじいさんのそばから離れてはならない」と忠告します。
一方、ダジボークのやしろは、暗闇を好むゴブリンから狙われていました。ゴブリンの王は、三人兄弟のゴブリンに命じて、マルティン、ミハル、ヤネックの頭から、ダジボークの忠告を忘れさせます。
マルティンは富を、ミハルは武勇を求めて、おじいさんのそばを離れます。ヤネックは、ダジボークの「おじいさんのもとを離れるな」という忠告を思い出すために、おじいさんのもとをはなれて、高い山にこもります。
おじいさんは、やしろの火を守る仕事を一人でしなければなりません。そこでゴブリンはマルティンに、「食い扶持がもったいないから、おじいさんを殺そう」とささやきます。ミハルはいったんは反対しますが、やしろに火をつけて「自然に焼け死んだ」ことにするのであればと同意します。
一方、ヤネックにとりついていた三男のゴブリンが、いつまでも思い出せないヤネックに同情し、任務を放棄します。そして、三男のゴブリンの泣き叫ぶ声を聞いて、長男と次男のゴブリンもまた、マルティンとミハルの体をはなれ、三男のゴブリンのもとに飛んできます。
その時のおじいさんはもう火に包まれていましたが、マルティンとミハルは我に返ります。ひどいことをしたと気付き、許しを請います。おじいさんは「おまえたちはもうゆるされている」と言ったあと、ゆっくりと高い山を登ってゆきます。
マルティンとミハルは、おじいさんのあとについていきます。しかし、雲海を越えることができず、地上に引き返します。また、雲海をわたった虹に、ヤネックがいました。彼は目の前の太陽の神の城に入れてもらえないことを嘆いています。そこでおじいさんがはげまし、一緒に、城の門をくぐるのでした。
いわゆる「天国の門は狭い」というお話でした。
(その2へ続きます)