『海の王国を読む』を読む(ことば2~3年、2022/4/27)(その1)

福西です。

『海の王国』(ジョーン・エイキン、猪熊葉子訳、岩波書店)を読んでいます。

「5 王子さまの嫁さがし」を読みました。

あるところに王子がいました。王子は世界中で一番美しい娘と結婚したいと願い、三人の老婆に聞いて回ります。そして黒海の島に生えている、三本の葦の中にその娘が住んでいる、と教わります。しかし葦は魔女に守られている、と。

王子は危険を顧みず、葦を探しに出かけます。途中、自分の手首を切って、オオカミに食べさせますが、そうした犠牲を、王子はものともしません。そしてついに魔女をやっつけ、三本の葦を手に入れます。

前半は「目的のための芯の強さ」という感じですが、問題は後半です。

王子は、帰りつくまでに、どうしても乙女の姿を見たくなってしまいます。

そこで、葦の一本を短剣で切ります。すると中から真珠のように美しい乙女が現れます。

乙女は「水をください!」と訴えます。

けれども王子は、一滴の水も持ち合わせがありません。乙女はそのまま枯れて死んでしまいました。

そこで王子は後悔したはずなのですが、また途中で、乙女の姿を見たくなってしまいます。

そして、二本目の葦も短剣で切ります。

「水をください!」と同様に、美しい乙女が現れます。しかしまた王子は水の持ち合わせがなく、乙女は死んでしまいます。王子はまた後悔します。

しかし、また見たくなってしまいます。

あわや三本目の葦を切るところで、賢明な馬が王子を水場に引っ張ってゆきます。

そこで葦を切ったので、三人目の乙女は死ぬことなく、王子はその乙女と結婚します。

(その2)へ続きます。