「山の学校」──幸せな学びの原体験を形成する場

福西です。下記、山下太郎先生の文章を転載します。

「山の学校」の小学生・中学生・高校生クラスのご紹介(山下太郎/文章)

子どもたちよ
子ども時代を しっかりと たのしんでください。
おとなになってから
老人になってから
あなたを支えてくれるのは
子ども時代の「あなた」です。
―― 石井桃子

 

山の学校の歩みと理念

「山の学校」は、北白川幼稚園を母体として2003年に設立されました。大学の付属幼稚園は数多くありますが、幼稚園を母体とする教育機関として発展してきた例は、「山の学校」以外ないように思います。私は、幼稚園時代の先生と子どもたちとの関係性──三つ子の魂の輝きを大切にすること──こそが、教育の基本であると考えています。その点、「山の学校」の先生たちは、日頃から研究者として、またアーティストとして、「真・善・美」の理想を追い求めながら、それぞれの課題に日々挑戦しておられます。それゆえ、子どもたち一人ひとりの好奇心の輝きに心から敬意を払い、真剣に応援することができるのです。

「山の学校」──幸せな学びの原体験を形成する場

クラスに参加する子どもたちの姿を見ていると、自分の子ども時代を思い出し、幸せな気持ちになります。小学校時代の私は、近所の子どもたちと森の中を駆け回り、斜面を滑り、木に登って遊びました。一人でいるときは、空を見上げて雲の動きを追い、夕方になると西の空に沈む夕日をじっと見つめていました。家の中では、次の三つのことに夢中になっていました。(一)自分で設計図を書いて、段ボールでさまざまなものを作る。(二)反故紙の裏に、毎日飽きるまで絵を描き続ける。(三)図書館で借りた本を夢中で読み漁る。

こうして振り返ると、私の経験は、「山の学校」の「しぜん」「ひねもす」「かいが」「ことば」の取り組みと重なります。惜しむらくは、「かず」に触れる機会が少なかったこと。もし今、私が子どもなら、入角先生に出会い、「かず」の楽しさを教えてもらいたいと思います。

(小学校クラスの紹介は、次の記事に続きます)