中学・高校クラスの紹介

【中学・高校クラス】

山下太郎/文章

中学・高校生クラスは、「西洋の児童文学を読む」、「西洋古典を読む」、「れきし総合」、「中学英語」、「高校英語」、「中学数学」、「高校数学」があり、この四月から福田先生による「中高生の哲学」が新たにスタートします。

「哲学」と聞くと難しい印象があるかもしれませんが、福田先生のクラスで扱う「哲学」は違います。目指すのは、人間が心豊かに生きる上で大切にしてきた学びのテキストを音読・精読し、自由に意見を交わしながら考えを深めていくクラスです。どんな疑問や感想も歓迎され、他者の意見を尊重しながら対話と文章表現を重ねることで、思考力と表現力が磨かれていきます。

この理念は、「西洋の児童文学を読む」(狩野先生・加藤先生)、「西洋古典を読む」(山下大吾先生)、「れきし総合」(吉川先生)にも共通し、すでに確かな実績を残しています。ここでいう実績とは、単なる受験の結果のことでなく──それもありますが(「合格体験記」参照)──むしろ、講師と受講生が生涯の支えとなる真の読書体験を共有できたことこそが、大きな成果なのです。狩野先生の言葉を紹介します。
「高校ではこんなありがたい授業はできません。ここだと一冊の本を、時間に追わることなく、生徒と意見を交わしながら最後までじっくり読み通すことができるんです。これがどんなにありがたいことか。高校だと、あらかじめ伝えるべきことが決まっていて、それを時間内に伝えきれるかどうかの勝負になっています」。

最後に「山の学校」の英語と数学の取り組みについてご紹介します。

この二つのクラスには明確な理念があります。それは、徹底した「基本重視」です。かく言う私は「中学英語」を担当しています(四月からは澤田櫂君と一緒に担当)。現在、小学校でも英語教育が行われていますが、手元の教科書を見ると、中学入学時点で不完全燃焼のまま進級する生徒が大量生産されてしまうのではないかと危惧されます。英語も数学も、たゆまぬ基本の反復練習がすべてを支えると言って過言ではありません(数学の後藤先生も同意見。後藤先生もお山の幼稚園の卒園児です)。しかし、多くの生徒は、自分の実力を正しく見極めることができていません。言い換えるなら、高校生であっても、中学一年の英語を復習する決意と勇気が必要な場合があるということです。大切なのは、背伸びせずに今の自分の課題を正しく知り、それを克服すること。できるまで根気よく練習を繰り返せば、誰もが「後は階段を登っていくだけだ」というゆるぎない見通しを持つことができます。「山の学校」は、ひとり一人の課題を見極め、今何をすべきかを助言する体制を整えています。安心して受講してください。

(文責 山下太郎)