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前回の山びこ通信では個人的な思い出を掲載しましたが(「文学部で学んだこと──百年先の世界のために)」、この夏休みはその中でふれた西洋古典の作品をとりあげ、初心者用の注釈書を書き上げました(以前から書き溜めたものを仕上げました)。

35年ほど前にまったく何もわからなかった作品(キケローの『国家について』)をいつしか人に教えるようになり、今回はその成果を本にまとめることになりました。

今後も山の学校の活動の一環として、ラテン語独習者にとっての学習環境を整備していきたいと思っています。

目先の役に立つかどうかは別として、東洋に古典教育の伝統があるように、西洋にもそれは今もしっかりと根付いていて、それがどのようなものかを知ることは意味のないことではありません(ラテン語は西洋文化における漢文です)。

社会の世論とずれがあるかもしれませんが、幼児教育は教育の根っこであり、西洋古典学は学問の根っこに当たる点でどちらも大切であり、なおざりにはできません。

日本において、今後洋の東西を問わず、古典教育という学問の根っこが大事にされるかどうかは、子どもたちが旅立つ先の学校教育にも大きな影響を与える問題であり、無視はできないと思っています。

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