福西です。
『しずくの首飾り』(ジョーン・エイキン、猪熊葉子訳、岩波少年文庫)を読んでいます。
「5 女の子を愛した木」を読みました。
9軒しかない小さな村に、とても大きなカシの木がありました。カシの木は、ポリーという女の子を、赤ん坊のころからよく知っていました。
カシの木はそれを見おろして、世界じゅうでポリーほどかわいい子はいないと思いました。ポリーの目は青く、髪は茶色で、ほおはピンクでした。
しかし人は木よりも早く成長します。ポリーはあっという間に大きくなると、カシの木の気も知らず、町に行ってしまいました。カシの木は葉っぱを千枚も送って、帰ってくるように手紙を書きました。しかしポリーは木の言葉を知りません。カシの木は悲嘆にくれ、真夏のうちに葉を落としてしまいます。
これに困ったのが、森バトでした。カシの木にかけた巣が、まるはだかになるからです。何とか元気を出してもらおうと、森バトはカシの木に力を貸します。
カシの木は、村の大工の夢に現れ、自分の枝を切ってゆり椅子を作り、ポリーにプレゼントしてくれと頼みます。しかし大工はゆり椅子を町で売ってしまいます。森バトの報告に、カシの木は怒って、大工の家を壊します。そして、死にそうなほど気を落とします。
(その2)に続きます。