園児たちは幼稚園の行きかえりの道中、さまざまな組み合わせで手をつなぎます。
列のどのあたりに並ぶかには暗黙の了解があり、年長同士は後ろ、年少同士(基本的に年少は年中、年長児がつなぎますが)は前です。
年少Aちゃんを年中Bちゃんがつなぐ場合、年少Cちゃんを年長Dちゃんがつなぐよりも前にきます。(※以下、A、B、C等の記号でわかりづらい文になる点ご容赦ください)。
先日、年中のEちゃんが年少Fちゃん、Gちゃんをつなぐことがありました。二人の年少児をつなぐということで、彼は自分が一番前に並ぶことを私が言うより先に理解していました。(年少1人を年中1人がつなぐより、年少2人を年中1人がつなぐほうが安全の観点から前になる)。
そのときおもしろいなと思ったことがありました。
年中のEちゃんは、最初、年少のFちゃん、Gちゃんを両手でつないでいました。
F-E-G という具合にです。
私が黙ってみていると、自分で「あ、そうや」と気づいて、<車道><歩道半分の空間><E-F-G>の順につなぎなおしました。
小さいことのようですが、Eちゃんは自分が何をすべきかよく理解しているな、と思いました。「ぼくが守ってあげなくては」という意識です。
園児によっては、年少児二人を両手でつなぐとき、「自分が年少児にはさまれている(=つないでもらっている)」と意識して、このつなぎかたを嫌がったり、頼んでも抵抗を示すこともありますが、Eちゃんははつらつと、そしてジェントルに年下の子どもたちをリードしてくれました。
Eちゃんにかぎらず、山道に入ると、こちらが何もいわなくても、年中、年長児は必要な場所ですばやく谷側に身を置きます。
話はとびますが、先日年少と年中が合同で「お当番リレー」をしたときも、このような年中児の気づかいが十分に見て取れました。
石段の上り下り、直線の走りの場面において、どの年中児も年少児の足の速さにあわせて走っていました。