今日は学年ごとに第3園舎で運動あそびに取り組みました(年長→年少→年中の順)。
最初は年長です。今日は「室内でボール遊び」と聞いていたので、どんなことをするのかと思ってみていると、Segawa先生は開口一番、「このボールを使います。一人が3回顔の上に投げて受け取ったら、次にお人に名前を呼んで渡してください。」と。
全員に一つずつボールを配り、各自で課題に取り組むスタイルではなく、40人でボールはたったの1つ。そのボールが次々に友達の手に渡っていきました。ルール通り、相手の顔を見て、名前を呼んでの受け渡しです。
だんだん慣れてきたら、先生は1つ、また1つと扱うボールの数を増やしていかれましたが、基本は同じ事で、ボールを受け取りたければ、ボールを持っている人の近くに行って、「ボールちょうだい」とアピールしないといけません。
ぼーっと立っているだけだと何も始まらず、だれも「はいどうぞ」とボールを渡してくれるわけではない。なかなか見ていると人間模様が垣間見られて、興味深かったです(日頃、どれだけクラスの友達の名前をすみずみまで知っているのか──もちろん知ってはいますが──、それを日常的に声に出して交流できているか、という観点で見ていると興味深く思われました)。
その後、男の子は女の子に、あるいは、帽子の色の違うお友達に・・・等、条件に変更が加えられ、より難易度が上がっていきました。
あとは、玉入れの玉を使い、目標のかごに投げ入れるゲームを何パターンか行い、最後は4つの目標のボールに玉入れの玉を投げて落とすゲームに展開。
「先生からの挑戦状です。4つ全部落とせたら、みんなの勝ち、ボールを落とす前に投げる玉が尽きてしまったら、先生の勝ち」と宣言して取り組んだので、みな目の色を変えて取り組みました。
こうして年長が夢中で取り組んでいる様子を、次の年少の子どもたちが廊下でじっと見つめました。大事な学びの時間です。
異学年の子どもたちの取り組みは、他学年の子どもたちにとって、学ぶところ、刺激は大きいです。
一回りも二回りも気持ちの大きくなった年少児たちは、自分たちの取り組みにおいても、お兄さん、お姉さんぐみと同じメニューを喜々として取り組みました。
そして、その様子を年中の学年も静かに座って見つめ、「真剣に取り組む姿勢」にたいし敬意をもって見つめていました。
年中児は年中児で、年長児と変わらぬ姿勢で、最後の一瞬まで真剣に取り組むことのできました。
こうして9時半から11時半の2時間があっという間に立ちました。
終わってからSegawa先生とお話する中で、最初の取り組み(=ボール1個をクラス全員でパスしていく取り組み)は、「心の通い合い」を大事にしたいと思って取り組んでもらった、とのことでした。
技術的に何ができる、これができる、というのとは別次元の話として、クラスの全員が、クラスの仲間と力を合わせ、心を合わせ、さらに、クラスの垣根を超え、学年のみなと分け隔てなく声を出し合い、ともに力を出して目標に向かって協力すること。
最後の先生からの「挑戦状」にたいし、最後は子どもたちが先生に勝利しました。
先生は子どもたちの前で言われました。「なぜ勝てたのでしょうか。一人だけが頑張ったからではありません。みんなが力を合わせてがんばったから先生に勝てましたね」と。
幼稚園のこの時期だからこそ、一番大事にしたい「心の通い合い」の取り組みを、今日は間近で見ることが出来、私自身たいへん学ぶところがありました。