本園では月曜日の放課後に「ひねもす教室」を開いています。
ひねもすってなに?という方は、コトのHPをごらんください。
どういうコンセプトでこのおもちゃができたのか?
以前あった会社のメッセージが見つからないので、手元の資料から転載します。
~ちょっと古くて新しい遊び「ひねもす」~
──おもちゃ会社『コト』からのメッセージ
ビー玉、めんこ、べーゴマ、陣取ゲーム、六むし、もやし、警察鬼ごっこ。私の少年時代には、自分たち
で工夫して遊びを生み出していくための「遊びの素材」があふれていました。友達との間でルールを作り、作り出したルールで自ら遊ぶ、そして、遊びながら社会性を培っていく。遊びを中心とした良い循環があったのだと思います。
翻って、昨今では、キレる子ども、学級崩壊が大きな社会問題となっています。この一因として子どもた
ちが「遊びを中心とした良い循環」を体験する機会が減っているのではないか、と私どもは考えています。
「ひねもす」は、幼少の子どもたちだけで遊ぶには、少し難しいかもしれません。そんなときは、どうぞ、
子どもたちと一緒に、ひねもすで遊んであげてください。マジックハンド、めがね、剣、人形、いろんな造
形物を子どもと一緒に作ったり、子ども同士で造形物を見せ合ったりすることを促してあげてください。
大人から見れば大したことがない造形物であっても、子どもたちにとっては、自分自身で作り出した、大切な「遊びの素材」です。
ひねもすで、一生懸命に棒を作って、「剣ができた!」「これは魔法の杖なの!」と言って誰かといっしょ
に遊ぶ。粗い情報である造形物から、想像して詳細なモノに見立てる。そして、見立てたモノを使って空想の物語が生まれる。生来人間が持っている、見立てるチカラと物語るチカラ。二つのチカラは、社会生活の中で非常に重要な作用をもたらすと感じています。
しかも「少し我慢して、少し苦労して、自分で作ったモノ」は、本人にとっては、「特別なモノ」として目
に映るはずです。また、友達同士、あるいは、親子間で、作ったものを見せ合うことでより新たな創意工夫も生まれることでしょう。そして、そのような「いっしょになって楽しみ、対話を通して創造し、実際に手
を動かして試行錯誤しながら培った達成感」の記憶が、子どもたちの中に、家庭の中に、あるいは、教育の場に残っていくことを願って、この商品を世に送り出します。
子どもたちの健やかな発育が、ひいては昨今の社会問題解決の一助となることを信じております。
個人的なことですが、この開発に関わった大学の先生が私の元同僚の先生で、「山下さんに見せたいものがあるんです」と、研究室でひねもすキットを見せてくださったのが、3年前。
ひねもすのデビューと、私が園の仕事を引き継いだ時期が同じなのです。
コトの社長さんの上のメッセージにとても強い印象を受け、社員の皆さんがどなたも真剣に子どもたちの教育のことを考えていらっしゃることにも、お会いするたび感銘を受けました。
H15年4月以降、山の学校をたちあげたさい、月曜日の放課後に、2時から幼稚園向けのひねもす教室、4時から小学校向けの教室を開くことにしました。
講師は、上でふれた元同僚の先生にご推薦いただいたゼミの学生さん(京都工芸繊維大学造形工学科)3名。
どの学生さんも、子どものことが大好きで、やさしいお兄さん、お姉さんです。そんな雰囲気の中、子どもたちはひねもすに取り組み、ものを作る楽しさを十分満喫してきたと思います。
一方、小学校の部はというと、残念ながら参加者が少なく(最終的に参加者がゼロになりました)、平成16年度からは募集していません。ちょっと残念ですが。
近い将来、「ひねもす」という遊びが、ファミコン等の言葉以上に、子どもたちはもちろん、大人にも浸透する日が来ることを願っています。
ちょっとPRめきましたが、よいものはよい、ということで、ご紹介まで。