写真は今朝の準備中の一こまです。

今日の午前中は心配していた雨も降らず、卒園式を無事に園庭で行うことができました。

日々、園の方針に寄り添ってお考えいただき、惜しみないご協力をくださった保護者の皆様のおかげと感謝申し上げます。

子どもたちは凛々しい表情で証書を受け取り、希望を胸に立派に巣立っていきました。

式終了後、保護者によるお楽しみ会を園庭で開いていただきました。

楽しいゲーム、何度も走った道を使ってのお花のリレー(担任に手渡し)、先生によるひとり一人へのメダルの授与、お花、記念品の贈呈・・・と心に残る出来事が続くうち、あっという間にお開きの時間となりました。

最後の私からのご挨拶では、子どもたちにとってなじみのある「かたつぶり そろそろ登れ 富士の山 一茶」をあらためて紹介したうえ、、めいめい自分の道を信じて努力を続けてください、とお伝えした上、一方、頑張り過ぎてしんどくなったら空を見上げてリラックスすることも大切です、というメッセージをこめて、最後に蕪村の「春の海 ひねもすのたり のたりかな」を子どもたち、そして保護者の皆さんにご紹介しました。

いまいちど、目をつぶって、のどかな春の海を想像してみてください。春の日差しに海面がキラキラ光って見えるかと思います。あるいは波打ち際に足を浸し、身も心も自然界に預ける安堵感を味わってもよいでしょう。

とかく心をふさぐニュースが多い日々。そんな中、日々「まじめに頑張る」私たちだからこそ、ときに深呼吸し、リラックスする時間も大事にしたいものです(自分にも言い聞かせています)。

さて、この一年、否この二年、コロナ禍のもと、いろいろと制約の多い日々が続いておりますが、「ない」ことは「ある」ことだ、と視点を変えてものごとをとらえ直し、今まで気づかなかった価値を再発見できるよう努めてまいりました。

一例として、昨秋より、運動会の「金メダル」をどのタイミングで渡すかを考え、全学年とも「ドッジボールを全員が楽しめるように」日々過ごしました。

練習を続けることで、三学期にドッジボール大会を開き、終了時にメダルを手渡すシナリオを考えていたわけですが、おりしも1月末から急拡大したコロナ感染状況のためその機会を失いました(自由遊び、設定保育の中で取り組み自体は休まず継続しました)。

その結果、今一度原点にたちかえり、全員で力を合わせて発表会を成功させよう、その終了時にメダルを授与しよう、という目標をあらたに掲げ直しました。

制約付きではありましたが、発表会当日は保護者にもご来園いただき、割れんばかりの拍手を頂戴しました。

どのお子さんも、金メダルにふさわしい演技の数々でした。

会が終わり、大人ならちょっとした「燃え尽き症候群」にとらわれても不思議ではない卒園までの日々、年長児の活動はさらに前向きになり、とりわけドッジボールに対する情熱は日を追うごとに高まっていきました。

その結果、先日もご紹介したとおり、最後のお楽しみ会の日にも、子どもたちの発案で、全員でドッジボール大会を開こう、ということになり、3試合の真剣勝負が繰り広げられた次第です。

メダルの授与式こそありませんでしたが、当初私たちが思い描いた3学期に子どもたち全員が「真剣勝負を挑み完全燃焼すること」、その姿勢をたたえ、一人一人に「メダルをかける」というシナリオを、はからずも子どもたちが描き直し、主体的に実践してくれたことに、個々の大きな成長の軌跡を嬉しく思うとともに、心からの拍手を送りたいと思った次第です。

このような日々をふまえ、私の偽らざる子どもたちへの賞賛と励ましのメッセージを本日の式辞に込めました。

あらためて申し上げたいと思います。

この子たちなら、「よし、やろう」と決めたことはどんなことでもやり抜く力をもっている、と信じて疑いません。

心からエールを送りたいと思います。

今も、そして、これからもずっと。

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