朝の登園か、お帰りの降園か、どちらが神経を使うかというと前者です。家を出るときの心身のコンディションは毎日違うので、昨日笑っていた子が今日は涙を見せたり、さまざまです。

今朝はお山の上に着いてから男の子と一対一で「がまん」の約束をしました。何が何でも一番前で歩きたいという気持ちが高じて涙を見せ、太陽がまぶしい、暑いからと言って涙を見せ、・・・最後には自分でも何が何だかわからずに涙を見せ・・・。

そのままなだめて部屋に入っても、いずれ気は紛れるのでしょう。しかし、いつも気を紛らせるやり方ばかりではいけません。

しんどくても芋掘りはあんなにがんばったじゃないか、と励ました上、少々つらいことがあっても、自分の思い通りにならないことがあっても、「お兄さんぐみさんは、がまんすることが大事だ」という話をしました。

日頃、「ギューして」(強く握手すること)を求め、「ぜんぜんいたくない」と自慢げに言う男の子なので、話のあとで、いつものようにギューと握りしめ、何度か「がまん」の練習をするうち笑顔に戻り、二人で手をつないで部屋まで行きました。

途中、わざと転んで痛そうにしながら、「こういうときでも?」と聞くと、「がまん!」と言うので、部屋の前でもう一度ギューと握って「がまん」(笑)と二人で声をあわせて言い合ってから別れました。

目の見えない部分で、いろいろ乗り越えないと行けない課題がそれぞれの子どものまえに訪れては消え・・・の繰り返しです。

それをうまく言葉に表せないゆえに流れる涙もあるでしょう。

そうしたことを全部包んだ上で、「それでも前を向いてがんばろう!」というメッセージはこどもたちにとっても、大人の私たちにとっても大切だと思うのです。

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