先日卒園児親子が小学校卒業を節目としてご挨拶に来られました。

数学が好きだと言うので「中1のときマイナス1かけるマイナス1がプラス1になることを数式で証明した人が山の学校の先生にいる」という話をしました。

「先生、1万×1万の話を覚えてられますか?」とお母さんに言われ、「?」となったのですが、「ああ」と思い出しました。

俳句の時間に集中して話を聞かないといけないということを全体に話したことがあり、たとえ今「1+1=2」がわかっても、よそ見をしているといずれ「1万かける1万」を習うころ、わからなくなる、と述べたことを思い出しました。

ご本人は当時から数字が好きだったので、「集中して話を聞く」という私の話の中身を理解することよりも、1万と1万をかけあわせるという数字の物語に心が奪われ、俳句もそっちのけでずっと1万×1万の答えを求めて考え込んだそうです(そのことが今も思い出として残っている)。

6年間。10年よりも短く、2,3年よりも長いこの6年間。

大人と違い、小学校の6年間はこれほどまで、人を心身ともに大きく成長させる力があるのか、と思わずにいられませんでした。

別れ際に拙著「しっかり学ぶ初級ラテン語」をプレゼントしたら、笑みを浮かべて手に取ってくれたので、よかったなと思いました(私の経験として、数学好きな人はラテン語が好き)。

追伸
もちろん、卒園児で「ぼくも、わたしも」という方がいたら、いくらでも本のプレゼントはします。お申し出ください。4/2(土)の夜「ラテン語の夕べ」を開きます(zoom)。学んだことのない人に学ぶとどんな面白いことがあるのかをお話しします。>>「ラテン語の夕べ」のご案内

関連記事: