子ども時代にどのような景色を目にしていたかは、人生に少なからぬ影響を与えると思います。
このことについて、冒険家の星野道夫さんは次のように述べています。
子どものころに見た風景が、ずっと心の中に残ることがある。いつか大人になり、さまざまな人生の岐路に立った時、人の言葉ではなく、いつか見た風景に励まされたり、勇気を与えられたりすることがきっとある。~星野道夫『長い旅の途上』
私にとっての風景は、幼稚園のある山の中の景色であり、毎日眺める京都の西山の景色です。
同じようでいつも同じではない山と空、とくに夕暮れはその思いを強くします。
夕暮れ空を見ると人生について考えます。
子ども時代から、そのような問題を考える素地は、毎日夕日を見て育ったからかもしれないと思います。
太陽は西に沈みますが、また東から昇ります。
今見た夕暮れの風景は二度と同じものはないと見る見方もできます。
「方丈記」の「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」という言葉を思い出します。
鴨長明がそうであったように、川の流れも人生を考えるヒントになります。
流れる雲や、寄せる波もそうかもしれません。
空や海、山や川といった自然を意識する環境で生まれ育った人には、それぞれ自分の心の風景があるのだと思います。
園児たちの心に、今どのような心の風景が日々刻まれているのか、将来それが語れる段階で教えてほしいところです。
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