今年中児は「にじいろのさかな」という絵本をテーマに絵を描いています。
これは普通は部屋の中で取り組むことです。
ところが、一昨日劇の練習を終えて園長室に戻ると、なんと、年中組全員が階段(たんぽぽぐみと園長室の間)に陣取って絵を描いているではありませんか。
みんなニコニコ嬉しそうです。子どもたちは青い空を見上げ、「海の色とお空の色は同じやね」など語らいながらめいめいの絵を仕上げていました。リズムバンドに今は一生懸命取り組んでいる年中さんです。
絵を描く時間も部屋の中だと子どもたちは退屈するだろう・・・きっと先生はそう考えたに違い有りません。幸い天気も穏やかで風もない・・・よし!(二人の先生で相談し、外に出て絵を描くことを決めたようです)。
さあ、どんな絵が描けたかな?部屋に飾られる日が楽しみです。
小学生もにじいろのさかなは好きな本の一つです。読み聞かせも楽しいですね。偶然私のクラスでも「にじいろのさかな」を読んで絵を描くという授業をしました。幼稚園のみなさんはどんなすてきな絵を描いたのかな、と想像して、楽しくなりました。
特別支援教育コーディネーターをしているので、近隣の幼稚園や保育所を回らせていただいて、お話をうかがう機会が多いのですが、皆まじめな方が多いのか、「小学校に入学するまでにこれをしてほしいということはありますか?」と聞かれることが多いのにびっくりします。
私は、「幼稚園には幼稚園の目的と内容があって、小学校のpre-schoolではないので、そんなことを気にされる必要はありません」というお話をしています。
みんなが次を向いてばかりいたら、発達の今を見失ってしまうかもしれません。このことについて先生が書かれた日記をどこかで見たような気がしたので、「小学校」とか「幼小」などのキーワードで検索したのですが、見つけることができませんでした。私の勘違いかもしれませんが、もし簡単にお示しいただけるのなら、URLをお示しいただけると幸いです。
本園は山の上にあり、園舎は山小屋のように点在しています。私は毎朝園舎の戸を開けて回ります。そのとき楽しみなのは、園舎の中にはってある子どもたちの絵を見ることです。早朝、だれもいない部屋の中で園児全員の絵を見るとき、心が洗われます。
ご紹介くださった問いについて、たしかにありそうな質問だと思います。今は「幼保少連携」という言葉がよく言われるので、それを意識しての質問かもしれませんし、保護者の代弁としての質問かもしれません。
>みんなが次を向いてばかりいたら
たしかに今を見つめることができなくなります。大人は先を読む力に長けているので、子どものことを思い、「よかれ」と思って先のことを考えるのですが、未来は誰にとっても不安なものでしかありませんから、この手の心配は一生死ぬまで続くと言えます。
反対に「今」を見つめること、「今」の素晴らしさを心に刻むことは心掛け次第でいつでもだれにでもできます。だから簡単だと思いがちですが、その実簡単ではありません。
padus さんが「特別支援教育コーディネーター」をされているということで「そうだ!」と思い出した言葉があります。本棚から「福祉の思想」(糸賀一雄)を取り出してきました。175ページから引用します。
「脳性小児麻痺で寝たままの十五歳の男の子が、日に何回もおしめをとりかえてもらう。おしめ交換のときに、その子が全力をふりしぼって、腰を少しでも浮かそうとしている努力が、保母の手につたわった。保母はハッとして、瞬間、改めて自分の仕事の重大さに気づかされたという。」
このエピソードから色々なことを思います。その保母さんもきっと心優しい方で、日々大変な努力をされていたのだと推察されます。それゆえ、何かの計らいで「ハッとして大切なことに気づく瞬間」が訪れたに違い有りません。
私も、そういう瞬間に一つでも多く立ち会えるよう、日々過ごしたいと願うひとりです。
PS
最後のご質問については、私もサッと思い出すことができません。申し訳有りません。
横から失礼いたします。
padusさんがお探しの記事は、もしやこれでは?と思ったものですから。
間違っていたら、ごめんなさい。
http://www.kitashirakawa.jp/study.html
ちょうど今日、息子が、山の学校「しぜん」クラスでのバウムクーヘンづくりでの感動を、キラキラの目で、全身で、彼にできうるかぎりの表現をもって報告してくれたのをみて、
「園長先生がどこかで、先行する impression があって expression がある、ということを書かれていたなぁ」
と思い出していたところでした。
飛び入りコメント、失礼いたしました。
NYの母さん、コメントをありがとうございます。昨日のバウムクーヘンづくりはなかなかたいへんでした^^ 風向きがコロコロ変わり、そのたび火の向きもあっちへこっちへ。。。みんな熱い、とか、煙たい、とかキャーキャー言いながらも、しっかり竹を両手でもって回してくれました。「しんどいけれど、手づくりは美味しい」、二年生の男の子がつぶやきました。その流れで、「マクドナルドより家のご飯がおいしい」とも。しぜんの体験をしていると、素直な気持ちを素直に出せるのだなと思いました。Y君はなんどもお父さんがバウムクーヘン大好きなんだ、と嬉しそうなお顔で言っていました。たしかに、みんな苦労した分感動も大きかったはずです。幼稚園時代にかぎらず、impressive な経験はみんな大事にしたいですね。
山下先生、NYの母さまコメントありがとうございます。
山下先生には、書棚から本を取り出す手間をかけていただき、また、NYの母さまにはいろいろと探していただき、ありがとうございます。
その後もあちこちに出かけたり、様々な面談をして、年度末を
過ごしています。これからも子供たちの今を見つめ、明日を考えながら仕事をしたいと思っています。
ごく一部ですが、にじいろのさかなの作品を次のアドレスにアップしました。少し子どもたちの絵の雰囲気が伝わると幸いです。
http://www.flickr.com/photos/60767021@N08/