朝登園すると、あちこちから園児が「ぎゅーして」と言いに来ます。両手で子どもの手をぎゅーっと握りしめるのをやってくれ、と言うのです。
元々は、ちょっと元気なさそうに登園してきた子を励ますつもりでその子の手を強く握って励ましたのを周りの子が見て「自分にもやって」と群がってきたのが始まりです。
年少児には「これは年長さんくらいの強さやな」と言いながら握ります。「(園児の名前)ちゃん、痛いって泣いてるかな?」とわざとその子と周りの子に聞こえるように言いますと、胸を張って「ぜんぜん!」と返事をします。にっこり笑顔の顔を見ると、周りの子も「笑ってはるよ」と教えてくれます。
これをやると(大人にはわざとらしく思えますが、子どもには効果覿面で)100発100中、半べその子も顔を上げて胸を張ります。そして、最初から元気な周りの子は「もっとして。ぼくは小学生くらい・・・」とか、両手を差し出して「ダブルして-」とか、言います。そんなエネルギーに満ちた元気な子どもの声がこだまする中、ちょっと涙を見せていた子も、心に「元気」を充電してお部屋に入っていきます。
今日は、まだお部屋に入る前の年少組の男の子たち(戦いごっこをしたそうな雰囲気を醸し出していました)が「えんちょうせんせーい」とやってきたので、頼まれもしないのに、両手でぎゅーっと握りながら、「これでパワーをあげる。悪者がやってきたら、園長先生の代わりに先生を助けみんなを守るんやで」と言うと、こっくり頷きました。そして、一人、一人、パワーを充電するたび、またたくまに部屋の中に消えていったのがおかしかったです。