西洋古典– category –
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2025-08-22 よく生きるために
量の多寡で測定できない価値について考えるとき、哲学的思考を無意識のうち強いられます。 よく生きるとはどういうことか、二千数百年前から人々がどう考えてきたかの記録が手の届くところにあります。 セネカは「人生の短さについて」の中で、そうした古... -
2025-08-16 命について二つの見方
今日は五山の送り火の日です。 日本の伝統的な価値観に敬意を払うことは当然のこととして、至高の自由が保障されるべきことも同様に当然です。 二千年以上昔の西洋古典の世界では、伝統的に二つの考え方が拮抗していました(実は現代にも通じる)。 快楽主... -
2025-08-10 和魂洋才から人魂人才へ
日暮れて途遠しというとえらそうですが、以前「山びこ通信」に書いたエッセイの一部をよむと、逆のベクトルに向かっている気がします。 明治の先人はヨーロッパから多くの土産物を持ち帰ったが、一番大事なものを持ち帰らなかった。それは、洋魂、すなわち... -
2025-08-07 平和のために:学問・芸術・教育
古典に接すると普遍的価値に思いをはせることができます。 いろいろなジャンルでそれを確かめることができます。 今の言葉は玉石混交です。 昔の言葉がパワフルなのは、無数の人間の「いいね」のフィルターを潜り抜けたものが残っているためです。 もちろ... -
2025-08-04 古今東西を視野に入れて
学校の勉強は大切ですが、自分で学ぶテーマを大切に育むことは同時に大切です。 それには大人の導きが必要です。 世の中がどこか閉塞感に包まれていると感じる場合、えてして「井の中の蛙大海を知らず」であることが多いものです。 大海は、同時代の海だけ... -
2025-03-31 時代の扉を開く鍵――草の根の教養教育とラテン語と
年度の締めくくりとして、「時代の扉を開く鍵――草の根の教養教育とラテン語と」と題したエッセイをお届けします。 幼稚園児が巣立っていくこの社会を、少しでも風通しのよいものにしたいと願い、「幼稚園」の付帯事業として「山の学校」に力を入れてまいり... -
2025-01-11 太陽の下に新しいものなし
保護者から、「太陽の下に新しいものなし」という言葉がラテン語にありますね、とその解釈について質問されました。 「聖書」の言葉です。ラテン語は、Nihil sub sole novum.です。 人間界で起きる出来事(個人にせよ社会にせよ)は、かつて同じようなこと...