量の多寡で測定できない価値について考えるとき、哲学的思考を無意識のうち強いられます。
よく生きるとはどういうことか、二千数百年前から人々がどう考えてきたかの記録が手の届くところにあります。
セネカは「人生の短さについて」の中で、そうした古典作家との対話の重要性を指摘し、それこそが人生を豊かに、充実させる方法だと説いています。
ということで、中学、高校生こそ、哲学に親しんでもらいたいと思う今日この頃です(どの学校もほぼやっていませんね)。
端的に言えば、「本当に大事なことは何か?」を自問自答することです。
この問いに関しては、世間慣れした大人より、10代の若者の方が鋭敏な場合が少なくありません。
必然的に両者の間に溝が生まれます。
エピクロスの言葉を紹介します。
人は、まだ若いからといって哲学することを先に延ばしてはならないし、もう老年だからといって哲学するのに倦むことがあってはならない。なぜなら、だれにとっても、魂の健康を得るのに、その時期が早すぎるとか、遅すぎるといったことはけっしてないのだから。エピクロス「メノイケウス宛の手紙」122(朴 一功・和田 利博訳)
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