今日は朝からあいにくの雨でしたが、子どもたちは元気に登園してきました。
雨の日でも年長児は年下の子の手をしっかりつないでくれます。
さて、今朝は、お母さんとの別れ際にすこし悲しくなって涙を流した子を抱きかかえたのですが、「ようちえん、いきたくない。いえのパパとママがいい」と耳元で何度も言われました。今までと違い、はっきりと自分の思いを伝えてくれるようになったな(つまりそこに成長があるな)と感じました。
そういうときは、子守歌を歌うように「せんせいは○○ちゃがいいよぉ-。せんせいはようちえんにいきたいよぉー」とおだやかに繰り返し言いますと、そのうち落ち着いてきます。
お店のショーウィンドウを一緒にのぞきながら、自分たちの映っている姿を見てごらん、と呼びかけたりすると気が紛れたり。
年中・長の子どもたちは、私がなんとか泣いている子の気持ちを落ち着けようとしているときは、たいへん協力的で助かります。私が年少の子を笑わそうと思って冗談を言ったりしても、(幼稚園児にとっても「幼稚」なネタばかりなのに)話にのってくれます。(こんなとき、近くに保護者や先生がおられるととても恥ずかしいです)。
今日は、「ようちえんについたら鯉のぼりおよいでるかなあ?」というイントロから、いつのまにか、「こいのぼりが空をとんで、みんなをせなかにのせてくれたら、どうする-?」といったたわいのない質問をしているうちにお山の上に到着。
一日、一日。晴れもあれば雨もあります。泣いたり、笑ったりしながら、それでも、みんな自分の足で今朝もしっかり歩き、幼稚園に到着しました。
昔、私の通っていた幼稚園は北白川幼稚園ではありませんが、
今から30数年前、私も雨の日に幼稚園に行くのが嫌でした。
母親にしがみついて離れなかった自分が、そこにはありました。
その時、いつも園長先生が来てくれて、色々とお話して頂いた
事を、話の内容は忘れましたが、昨日の様に思い出します。
そんな私も、今は一人の医師となり、子供を持つ身になりました。
月日の立つのは早いもので、昨年の秋、その園長先生も鬼籍に
お入りになり、その最後を私自身が看取らせて頂きました。
もう、私の園長先生の話を聞くことはできません。その幼稚園も
今はもうありません。
しかし、「雨」という話を読んでいると、「あの時、園長先生は何を
話してくれたのかな」と、今更ながら、ふと考えます。
話の内容はいつかは忘れます。しかし、話をしてくれた、という事
は、いつまでも忘れません。
これからも、今まで通りの素敵な園長先生でいて下さい。
お書きになった文章を拝読し、言葉で言い尽くせぬ感動を覚えました。ありがとうございました。