運動会が近づくと、毎年「競う」ことについて、子どもたちが意識します。
相手がいればこそ競えるということを知ってほしいです。
勝負は時の運ですが、競うことが学びになるには、競う者同士が勝とうと願い、力のかぎりをつくすときにかぎられます。
どうせ負けるから、と最初からさじを投げるのが一番好ましくありません。
子どもたちの会話を聞いていると、誰が速い、という言い方が耳に入ってきます。
やらないとわからないことなのですが、最初から勝ち負けの予想をつけています。
私が幼稚園時代には耳にしたことのないセリフですが、近年はビデオに熱戦が記録され、勝ち負けのドラマが大人の注意を引くようになったことも背景にあるのかと思います。
一回きりの勝負を記憶にとどめるだけなら、勝っても負けてもあとは思い出に昇華しやすいのですが、ビデオの場合、繰り返し何度も見るので、勝っても負けても勝負の印象が必要以上に強化されやすいです。
つまり、それだけ子どもたちが背負うものが大きくなったのだと思います。
幼稚園では、できるだけさまざまな組み合わせでリレーをしたり、他の競技をしたり、あれこれ工夫してやってきましたが、最終的にはクラス同士で競うことになります。
明日は広い場所で思い切り練習します。
ベストを尽くし、勝っても負けても相手をたたえることができたら、何よりだと思っています。