秋の気配がただよい始めました。
園庭で過ごしやすくなったこともあってか、各学年とも運動面で意欲ある行動が見られるようになったと感じています。
あるいは、異年齢の交流が一学期以上に増えたこともあり、下の学年の子どもたちが自信をもって物事に挑戦する姿が感じられるようになったせいかもしれません。
とはいえ、例年と異なり、子どもたちにとっては調子が出始めた7月中旬に夏休みになり、長い休みを経た今、徐々に1学期後半のペースを取り戻しつつある、というのが実情の部分もあります。
さて、そんな中、今朝は、園に着いてからお母さんを思い出し、少し涙の出た年少児Aちゃん。
すぐにお部屋に入ることができず、しばし園庭で私と過ごすことに。
いっしょに座って、空の雲を見て気を紛らわせようと図っても、涙で会話は続きません。
すると、男の子の泣き声をずっと気にかけていたのでしょうか。同じ送迎グループの年長女児Kちゃんが私たちの目の前にふいに現れて、「おかあさんにあいたいんか」と男の子に尋ねました。
男の子はハッとしたように一瞬泣き止みましたが、また涙顔に戻りました。
すると、Kちゃんはサッと自分のかばんからティッシュを取り出し、男の子の涙を優しくふいてあげたのでした。
まるで幼稚園の先生みたいだ、と思ってみていると、Kちゃんは手に持っていたドングリ2個を男の子にプレゼントしました。
この時点で涙もとまっています。
男の子は大事そうに受け取って、ずぼんの左右のポケットにドングリを1個ずつ入れたのでした。
Kちゃんはそのまま男の子の手を引いて部屋まで連れて行き、入り口で別れました。
年長児の優しさと言えば、今日の帰り道のこと。
先頭で年少女児Bちゃんの手をつないでくれたSちゃん。
石段を下りながら、「Bちゃんの背中のかばん重いやろな。今日はプールにはいらはったし。ぼく持ってあげようか?」と気遣います。
「Bちゃんがんばってはるし。応援してあげるだけにしようか」と言って、実際Bちゃんにはがんばってもらいましたが、TPOにあわせて年長児の力を借りる場合もあります。
そういえば、Sちゃんは年少の頃、帰り道でよく歩きながら眠くて目をつむりました。
両サイドを年長さんにはさんでもらいながら、目を閉じながらよく歩けるな、と思いながら、いざという時は私が手を引いて歩いたり、抱っこすることもありました。
一方先に紹介したKちゃんも、年少児の頃は少しシャイで、年長さんに励ましてもらって歩くこともありました。
すべてはつい昨日のことのようです。
上で言及した年少のAちゃんもBちゃんも、きっと優しい年長さんになって下の子どものお世話をしてくれることでしょう。
優しさのたすきリレーは健在だと感じた今日一日でした。