保護者から山の学校の「英語特講」に大人も参加できるか、問い合わせを受けました。
中学生、高校生が対象ですので、丁重にお断りしました。
ただ、そこでやっていることを書きますので、参考にしていただけたらと思います。
英語はいろいろな角度で学ぶことができます。
今はすぐれた動画にも容易にアクセスできます。
いながらにして、生きた英語に接する機会は飛躍的に増えています。
この機会を生かすうえでもっとも大事なものは文法の知識です。
文法用語を使った文法の学習は退屈ですが、私のお勧めは、英語を成り立たせる基本例文をまるごと暗記してしまうことです(欧米でもラテン語は文法用語を使って勉強するゆえ彼らにラテン語の学習は不人気です。「日本人はラテン語を学ぶように英語を学んでいる」というと「なるほど」という顔をされます)。
中学で習う英語の文例はおよそ200に分類できます。
これらの例文に関して、日本語を見ただけで瞬間的に、かつ正確に英語に直せるかどうか。
「英語特講」で中学生、高校生はこの課題に取り組んでいます。なぜ英作文の形で学習するかと言えば、ちょうど、日本語の漢字を学ぶうえで、漢字の書き取りをひたすら練習するのと同じ理屈です(日本語→英語ができる生徒は、その英語→日本語は容易であり、どのような問題形式<穴埋め問題、整序英作文等>で出題されても簡単に解ける)。
例文は自分で集めることができます。
私は市販されている中学用の「最も薄い」問題集を学年別に三冊購入し、そこで用いられている日本文(たとえば、「次の日本文に合うよう空所を埋めなさい」で用いられている日本文)から例文を収集しました。
とくに急ぐ理由のない場合、高校受験生になったつもりで、中1から中3までの問題集を一から丁寧に解いていくことが有益です。ただし、80点取れたからOKという話ではなく、100点取れて当たり前、という気迫で臨まないと効果は薄いです。もちろん、忘れていることもいろいろあって、最初から100点取れない可能性もありますが、そのような問題には印をつけ、ときには参考書も調べながら、一つ一つ自力で納得していくと英文法の基本が身に着きます。
あとは、辞書を使って英文を読むもよし、さまざまな応用的な学習が自由に展開できると思います。
追伸
英語はパターンで学習するのが重要で、その典型が五文型の理解です(動詞の他動詞と自動詞の区別も含めて)。たとえば、runという単語はSVで使うと「走る」ですが、SVOで使われる例があります。おや?おかしいな、とピンとくると、runには「経営する」という意味があると知って合点できます。このように単語の意味を辞書で確かめるうえでも文法の知識は重要です。