本園の子どもたちは毎日手を繋ぎまっすぐ歩きます。
大人も人生はまっすぐ自分の力で歩きたいものです。
正直に、自信をもって歩くことが大事です。
学校で点数を競わされて学ぶのはまっすぐ歩くことではありません。
結果さえよければ手段を選ばない人間が育ちます。
カンニングしないからよい、というのではありません。
勉強の本当の面白さを感じることなく、テストが終われば覚えた中身はすっかり忘れるやり方で勉強と付き合うなら、それはまっすぐ歩くことではないでしょう。
ふらふらしたり、よそ見をしたり、道を外したり。
世の中を騒がせる大人たちは皆、常に競わされて競争に勝った気持ちになり、結果さえ出れば、手段は問わない価値観を身に着けて、今があります。
あるいは特権意識のもとに育ち、自分は競争せずにも常に一番になれると錯覚して年を重ねたり(=これも立派な競争意識です)。
三つ子の魂百まで、といいます。
「手を繋ぎ」(=助け合い)、「自分の足で」(=自信を身に着けて)一歩一歩汗をかいて歩くことを子どもたちにはしっかり経験してほしいと願います。
小学校以上の学びに関しても、勉強と他人との競争と結び付けて学ぶのではなく、好奇心を輝かせて学ぶ姿勢を重んじてもらいたい、と思います。
競争は不可欠です。競争を否定しているのではありません。
運動会で、全員手を繋ぎ同時にゴールするように導くのは正解ではありません。
順番はつきます。
競争は己との競争であるべきです。
「ヘラクレスの選択」にさいし、困難を選ぶこと。
それは自分に打ち勝つ勇気を持つこと。
その姿勢を幼稚園は、そして学校は、一人一人を見つめて、常に応援する側に回るべきであり、それが本当の教育だと私は思います。
正直に申し上げて、今の日本に欠けているのは、この教育力です。
子どもたちを勉強で競わせても立派な大人に育つとは思われません。