Ikuko 先生のダイアリーはいつも自然の写真がいっぱいです。どれも「おやま」に実際にあるものばかりで、Ikuko 先生がねらいを定めて撮影されたものです。

最新のエントリーはフユイチゴの写真が載っています。

http://www.kitashirakawa.jp/ikuko-diary/2007/12/post_99.html

毎回写真の下には学名が記載されていて、それはラテン語で書かれています。

フユチゴは、Rubus buergeri といいますが、属名の Rubus はそのままラテン語の単語です。辞書(羅和)を引くと「キチゴ」という意味だとわかります。フユイチゴはキイチゴ属の仲間なのですね。

rubus の発音はローマ字読みでかまいません。シーザー(カエサル)の活躍したローマ時代の言葉がラテン語なので、文字通りローマの読み方(=ローマ字)でよいのですね。ということで、rubus はルブスと発音します。

ここで「はて?」と考えます。なぜルブスはルブスなのだろうか?と(笑)。ルブスとルビーは音が似ていないかな、と(無理がある?)。

宝石にルビーってありますね?ルビーはなぜルビーなのでしょうか?じつはどちらの単語も「赤い」という意味のラテン語 ruber(ルベル)に由来します。

余談ですが、「ふりがな」の「ルビ」は ruby のことです。元来、5.5ポイントの活字サイズを ruby と呼ぶそうです。活字サイズを宝石の名前で表す例は他にもあります(diamond, pearl など)。

さて、属名の次の buergeri (種小名)は何でしょうか?私にはお手上げです。どんなに大きなラテン語辞書にも載っていません。それもそのはず。これは人名だからです。「ブエルゲル氏の」という意味を表します。

ブエルゲルは人名で buerger という綴りになりますが、これを英語で言う所有格に変化させる(格変化といいます)と、buergeri と語尾がかわります。

それにしても、フユイチゴが「バラ科」というのは素人目には理解できないことですね。分類学は奥深い。

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