年少児がずいぶん園生活に慣れてきたと感じています。

送迎の道すがら、鼻歌を歌う子もいます。

子どもたちの集団の全体に「慣れ」の空気が漂う頃、遅まきながら涙が出始める年少児も毎年います。私が引率するグループの場合、まだその手のお子さんはいませんが、すくなくとも、私たちはその可能性に気をつけて一人一人の表情を見ています。

また、「慣れがこわい」という言い方がよくなされるように、列の引率にあたっては、もう一度最初の気持ちに戻って気を引き締めたいとも思っています。

さて、年少児も私にいろいろお話をしてくれるようになったのですが、先日よく晴れた朝のこと、「ほお!」と思った言葉がありました。山道をずいぶん上まであがると、通称「緑のトンネル」(頭上が紅葉の葉っぱでトンネルのようになっている箇所)があるのですが、その石段の横に緑の苔が生えています。その日は朝日を浴びて、その苔がとても「きれいに」(おおげさにいえば「神々しく」)見えました。

すると、手をつないでいた年少児いわく、「まんがみたい」。まんがと言ったか、映画といったか、アニメの名前を言ったか、うっかり忘れてしまいましたが、ともかく自分が何かで見た場面と重ねてそう発言したことは間違いありません。たぶん、宮崎アニメのなにかだろうと思います。というのも、その子は山道にさしかかるまで、「ポニョ」の話をしてくれていたので。

「自然は芸術を模倣する」という言葉があります。

園児のせりふはそのことを別の言い方で表していると思ったその日の朝の登園でした。

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