明けましておめでとうございます。
私が「園長便り」を書くようになって2年目です。子どもたちと接する中で、これは是非言葉にして書いて残しておきたい、と強く思うきっかけがあって、書いて参りました。
大学時代にうすうす感じていた「教育は幼児教育が大切だ」という思いは、今実際にその仕事をさせていただくようになり、確信に近いものとなって参りました。
さて、私の祖父(糸賀一雄)は講演中に「この子らを世の光に」という言葉を残して世を去りました。
この言葉の意味を私なりに考えていたとき、私も昨日のご挨拶で同じ趣旨のことを書いていたことに気づきました。つまり、年齢、性別等はいっさい関係なく、誰もが自分を理想に近づけるよう努力するべし、その姿が他人にとって手本となり、希望となるのだ、と。
祖父が言いたかったことは、重度の知的障害者もしかり、である、ということでしょう。今手元に最期の講義とサブタイトルの付いた「愛と共感の教育」と題する冊子がありますが、そこには障害児たちの真摯に生きる姿が、混迷の世の中において希望の光となりうる、という強いメッセージが記されています。
在命であれば90近くになりますが、54歳で亡くなりました。私は当時小学校2年生でしたが、初孫故の甘やかしはいっさいなく、子供心ながら「人間として」接してくれた思い出のみが強く蘇ります。その中の一つに、風呂場で交わした「男の約束」というのがあり、それは「誰にも絶対に言わない」という約束のもと、明かしてくれた祖父の子ども時代のいたずらの打ち明け話でした。
王様の耳はロバの耳、ではありませんが、私も穴を掘ってそれを口にしたいところですが、私もいつか天に召され、祖父と再会したとき、この約束を守り抜いたことを報告しないといけませんので、他言はいたしません。今は、祖父のことを思うと、じっくり教育の話を交わしたい気持ちでいっぱいです。
そんな気持ちで着想を得たことも交えながら、今年も教育について自分の考えを言葉にして発表していけたらと願っています。