四月から、毎週水曜日は「遊びの日」とし、園全体で元気に遊ぶようにして参りました。おかげで、すべてを忘れて遊び切る、貴重な経験を子どもたちも先生も、重ねてきたように思います。その効果は大きく、外で力いっぱい遊ぶほど、部屋の中での活動も生き生きしたものになる、という昔から伝わる教え(よく遊びよく学べ)を再認識しているところです。

しかし、だからこそ子どもたちに伝えたいことが見えてくるものであり、それが表題に書いた「ものを大切にする心」です。これは教育のイロハのイでありますが、観念として伝えるのでなく、実体験に基づいて伝えることが大事です。遊びが充実するほど、子どもたちは想定外の行動にチャレンジしていきます。たとえば園庭のお砂。水と砂をふんだんに使ってさまざまな「見立て」あそびに興じるほど、園庭の砂はどんどん溝を通って流れ落ちていきます。

毎年、年度末には業者にお願いして大量の砂を補充していただいているのですが、雨がふるだけでも、山の砂は流れ落ちるのが自然の理です。砂が下から上に向かうことはありえません。遊びに水をさすのではなく、いろいろな条件の上に楽しい遊びが成り立つことを学ぶのが生きた勉強。各クラスで、「使った砂を大事にしよう」と呼びかけることで、目に見えない副次的効果が生まれました。遊び以外の場面、たとえば靴をそろえる、とか、使ったおもちゃを大事に片付けるとか、水道の締め方を丁寧にするとか、です。年長児は率先して階段に流れ落ちた砂を集めて園庭に戻すようになりました。「おかたづけですよー」と先生が声をかけてからの行動もキビキビするようになり、時間にも余裕が生まれるようになりました。

以上、かけあしで最近の園のとりくみの一端をお知らせいたしました。

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