一昨日、俳句の時間で嬉しいことがありました。
人は寝て かごの松虫 鳴き出でぬ 子規
この俳句をあつかうのは前回が最終回でした。
私の幼稚園では、毎回子どもたちが覚えた俳句を皆の前で大きな声で発表します。
この日に発表できた子どもたちを含めると、なんと全員が手を挙げて発表できたことになります。
「全員できたね!」と言うと、どの子もそのことに満足し頷きました。
自分ができる、できない、という問題も大切ですが、走ることがそうであるように、誰にも得意不得意があり、俳句の発表が苦手というお子さんがいることを子どもたちはうすううす知っているわけです。
不得意な子どもが勇気を出して発表することの意味をどの子も理解できるのです。
中には小さいお声もありましたが、どの子も覚えたことを、しっかり自分の言葉で発表できたので、私はそのお子さんたちと、年長ぐみ全体に対し、「よくがんばったね」とほめたのでした。
そのときの私の気持ちは、ちょうど、運動会のリレーを終えて、がんばって走った全員を誉める気持ちと同じでした。