教育のことを考えながら本を読むと、心に響く言葉に出会えます。
「こっちを見て!」という感情のいちばん旺盛は時期は乳幼児期です。そういう時期にうんと気持ちを満たしておいてあげないと、安心してものが言えなくなるのです。幼稚園や小学校に入っても「見てほしい」という感情を引きずっていながら、ある場所にとどまりながら苦しんでいるのです。
佐々木正美氏の言葉です。
そういえば、私が園児と接していて、一番耳にする単語が二つあり、一つ目は「ママー」で、二つ目が「見て!」です。前者は新年度がはじまって1か月ほど、耳にたこができるほど「耳元で」「繰り返し」「大音量で」耳に飛び込む言葉であります^^
二つ目の「見て!」は、子供たちが園生活に慣れた時期によく耳にするセリフであり、鉄棒や雲梯近くをうろうろすると、あちこちから耳に飛び込んできます。
「ママー」は涙声で、「見てー」は笑顔で発せられる二大キーワードで、冒頭にあげた言葉を下敷きに考えると、見逃してはならない大事なサインなのでしょう。
さらに重要なのは、言葉として発せられない「ママー」と「見てー」のほうです。教育のカギは、こうした声にならない声を聴き逃さないことであり、教育の現場に立つ者として、その耳を磨くことの大事さをあらためて思いました。