本園の先生たちは、日ごろ子どもたちと接する中で、子どもたちの心の声を聴くように努めています。
耳に聞こえる声だけを相手にすると何が欠けるでしょうか。
1人で5人分以上よく話をする子の声ばかり拾うことになります。
逆におとなしい子の声は埋もれたままになりかねません。
きょうだいがいたりして、世慣れたタイプの子は、年齢があがると「忖度」を会得するかもしれず、その場合、言葉を額面通り受け取るだけだと、裸の王様の愚を演じることになります。
子どもたちはおしゃべりですが、内面を大人のように分析して他人にわかりやすく伝える力はもちあわせません。
だとすれば、声なき心の声を聴く努力をすべきは大人の課題として常にあり、耳に聞こえる声ばかり追いかけていては大事なものに到達できない可能性が高くなります。
子どもたちは感情表現が豊かで、泣いたかと思うとすぐに笑顔になったりしますが、担任は一人一人の心の動きを言葉で説明する努力をし続けています。
それができることがベースにあってはじめて、「先生あのね」と子どもたちの側から内面の扉を先生にオープンにする、真の心の交流が生まれます。
一日の保育を終えた後、クラス全員の名前を順番に思い浮かべながら、あの子はなにか言いたそうだった(=明日朝こちらから聞いてみよう)とか、一日をふりかえって積み残しはなかったか、本園の先生には振り返りの時間を大事にするようお願いしています。
放課後は、そうした振り返りをIkuko先生と各担任が丁寧に行い、一人一人のお子さんが笑顔で園生活を満喫できるには何が必要か、常に園全体で考えるようにしています。