今取り組んでいる俳句は一茶の句で、「かたつぶり そろそろ登れ 富士の山」というものです。今週は、「そろそろ」の意味についてみなで考えました。もしがんばって登れ、とかたつむりを応援するのなら、「そろそろ」ではなく「いそいで」と言えばよいではないか。なぜ「そろそろ」(ゆっくりと)と言われるのだろうか。

幼児には難しい問いかけに見えますが、このような問いかけも時には必要なのではないかと思います。私は答えを述べることはできません。ただ、子供たちには日頃の登園シーンを思い出させ、もし年少さんが山道を登る様子をみんなが横で眺めた場合、「もっと早く登りなさい」と命令するだろうか、と尋ねるにとどめました。俳句にせよ、和歌にせよ、このように解釈しないといけないという正解はなく、ああでもないこうでもないとあちこちから考えることが何より大事だと思います。

だいたいの意味はわかった、だから、早く次の新しい俳句を紹介してほしい、という気持ちは年齢が上がるにつれて出てくる傾向です。食事で言えば、かまずに飲み込む癖がついていきます。年齢が小さい今だからこそ、ひとつのことをじっくり味わい尽くす経験をしてほしいと願っています。

そのようなわけで、ときには立ち止まって「考える」時間をもちたいと思い、今週は上のような質問をしたのでした。次回は(明日ですね)、また別の質問をする予定です。

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