5月5日は子どもの日でした。以下一般論として書きます。「経験は最良の教師である」という言葉があります。子どもに色々な「経験」をさせたいと願う親は多いのですが、経験とは煎じ詰めて言えば、「失敗」のことです。失敗はさせたくない、しかし経験はさせたい、というのは矛盾です。
ここに親として(また、教育現場では先生にとって)難しい判断を迫られるジレンマがあります。しかし、古今東西、「失敗を通し学ぶ」というのが人間社会における真実です。失敗から何をどう学べるか、またその学びの時間をどれだけじっくりつきあえるか、ここに大人の忍耐力が試されているわけです。
効率至上主義の教育観に欠落しているのは、この忍耐する時間であると思います。そして、この忍耐とは愛の別名です。植物を育てるにしても、半年から一年はしんぼうして種を蒔き花の咲くのを待つのに、どうして人間の子どもの場合、これほどせっかちに「成果」を求めるのか、と最近のニュースなどを見ながら思います。
子どもの視点から見てみると、今いちばん欲しいものはモノでなく、自分たちの成長を信じて待つ大人の存在ではないかと思います。大人として今こそ「大器晩成」という言葉をじっくりかみしめたいと思います。