この日は前回と同じく、部屋を入る前から、園児たちの気迫がひしひしと伝わってきました。黙想を終え、最初に習った俳句は何であったか?と問いかけると、さすがによく覚えています。全員で声を合わせ、「かたつぶり・・・」と答えることができました。
「では、二つ目の俳句は何だったかな?」と尋ねてみました。一週間前に一度やったきりでしたから、てっきり覚えていないのではないかと思っていました。そして、質問に答えられず、みなが「しーん」としたら、やはり何度も繰り返すことは大事だね、という話をしようと思っていました。
ところがどっこい。全員声を合わせ、よどみなくしっかりと答えることができたので、私は驚きました。
この日は、最前列が男の子でした。その姿を見ていると、思い浮かんだ光景がありました。それは、毎日懸命に取り組んでいる鉄棒のポーズでした。前回りをする際、両手で鉄棒をつかみ、胸を張り、腹に力を入れて踏ん張るときの姿です。
最後に全員で声を合わせたとき、どうしても大きな声を出したいという気持ちから、身体を前後に揺すりながら声を出す姿勢が男の子を中心に見られました。それで、「頭の上に本を置いているとイメージしてご覧。身体を動かすとその本は落ちるね。落ちないように気をつけてもう一度やってみましょう」と言った上で、最後の仕上げをしました。
身体の一部に無理に力を入れることもなく、みながよい姿勢で声を合わせることができました。子どもたちの声を聞きながら、気持ちのよいものを感じました。